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Posted by ミリタリーブログ  at 

2017年04月25日

私が考える朝鮮半島情勢

ものすごく、久しぶりの更新ですが・・・(笑)

あくまでも素人の考えです(でも、日本の軍事評論家も似たり寄ったりだと思いますが)

最近、ミサイル発射や核実験で何かと騒がしい朝鮮半島、アメリカがいよいよ北朝鮮を攻撃するのではないかといろいろと憶測が飛んでおります。
私の予想を言えば、かなりの確率でアメリカは軍事オペレーションを実施すると思います。

理由としては、トランプ政権の支持率アップのためでしょう。最後の「悪の枢軸」である北朝鮮を懲らしめることで、反トランプ層を一気に黙らせることができますし、
50年来の課題であった朝鮮半島の民主化が実現するのですから。

んで、どんなオペレーションが行われるのか?
報道なんかを見ると、軍事に疎い評論家の皆さんが、すぐに「トランプ大統領が」、「金正恩第一書記が」みたいな政治論に転換しちゃって良く見えません。なので、純然たる軍事作戦として考えて見ます。

軍事オペレーションは、5月から10月の間、朝鮮半島が寒くなる前でしょう。韓国の大統領選挙が終わって、親北政権が生まれたとしても関係ありません。
とりあえず、韓国の政治責任者が決まらないとちょっと都合が悪いだけです。しかし軍事作戦開始にあたり、アメリカは決して韓国にお伺いを立てることはしないでしょう。
過去の朝鮮戦争の経緯を見れば、当事者能力ゼロですから。

現在、都合3個空母打撃群(ロナルドレーガン・カールビンソン・ニミッツ)が日本近海に展開していますが、これらの艦載機の空爆から開始されることはないでしょう。
なぜなら第一撃が空爆だと、相当な精度で行わないかぎり、北朝鮮のミサイル報復攻撃を受けます。
これら空母群は、ある意味「見せ球」で北朝鮮・中国、そしてマスコミがそちらに注目させるためです。

このように一般の目を空母に向けさせつつ、日本海に数隻のヘリ空母や揚陸艦が進出します。このヘリ空母からオスプレイなどで北朝鮮各地に特殊部隊が夜間に侵入します。
特殊部隊の一群(以下ODA-α)は、中国と北朝鮮の国境近くに展開します。規模は200-300人程度で、JTAC/CCTが配備されます。



ODA-αの役割は、
1.平壌攻撃が開始された際に中国軍の介入を防ぐ。中国軍が国境を越えたらミサイルによる空爆を行い、中国軍を足止めする。
2.金正恩の中国逃走を防ぐ。
3.半島北部に展開する北朝鮮軍を足止めする。

ついで、ODA-βが朝鮮半島各地の要衝へ派遣されます。役割は、
1.水豊ダム、任南ダムなどの占領。北朝鮮の電力供給を切断することと、放流による韓国への被害を防ぐ。
2.通信設備の破壊・占領。軍の通信体制を破壊することで軍の動きを止める。
3.幹線道路に架かる橋の確保・破壊。および地雷敷設。これも軍の動きを止めるのが目的です。

もうひとつ、ODA-γ。これは平壌付近に展開し、金正恩の宮殿などを襲撃します。ミサイルを誘導するかもしれません。目的は金正恩の殺害ですが、殺害できなくても正恩が避難するなどで、一時的に指揮命令系統が断絶します。

アフガニスタンで最大級の爆弾であるGBU-43/Bを使ったのも、平壌に落とすつもりでしょう。イラク戦争のバスラ攻撃でこれよりも少し小さいものを使ったんですが、そのときのあまりの衝撃に驚いた付近のイギリス軍が「アメリカ軍は戦術核を使った!!」って騒いで、指揮命令がちょっと混乱したんですね。平壌で使えば、当然、無知なメディアは大騒ぎなので、あらかじめ「こうゆう爆弾もあるんですよ」って周知しているのです。

これら3つの作戦を同時に行うことで、北朝鮮軍は完全に麻痺し反撃できないでしょう。そして夜が明けたら、本格的な空爆が開始されます。
イラク戦争のやり方、そのまんまですね。詳しくは拙著「ミリタリーナレッジレポーツVOL11」をご覧ください(笑)



それはさておき・・・
テレビのコメンテーターの人が言ってることについて

1.北朝鮮軍は遠大な地下通信網・地下電源を作っていて、発電施設を攻撃しても指揮系統が破壊されず反撃が行われる・・・?
もちろん、そのようなものがあるでしょうが、常時、独自の電源で動いているわけではありません。平時は発電所から電力が供給されています。そうでなければ、各戦線ごとに火力発電所などがあって発電していることになります。また、電源が途絶した後、独自電源を起動させても、すぐに戦線が必要とする全電力を安定して供給できるわけもありません。したがって、発電施設の攻撃は有効ですし、反撃もすぐに始まることはありません。

また、通信設備を完全に破壊することができなくとも、生き残った回線や電線に集中して負荷が増えることで、前線と司令部は混乱します。


2.平壌が攻撃されたと知れば、各軍が独自に報復攻撃に出る・・・?
たとえば、あるミサイル部隊の指揮官が平壌の方向の空が赤くなっているのを見て、すぐに反撃のミサイルを撃つってことなんでしょうけど、軍隊ってのはそんなに融通が利くもんじゃありません。

事前にそのように打ち合わせていても、なかなかその通りになりません。指揮官だって、確認を取らず勝手に撃って、北朝鮮側から戦端を開いたってことになったら大変です。たとえそのような権限を与えられていても、まずは上級司令部へ確認を取るでしょう。そのため通信施設・発電施設を破壊するのです。


3.38度線の1万7000門の大砲が火を噴いてソウルが火の海になるから、その大砲群を沈黙させなければならない。それは不可能だ?
1と2に関係することなんですが、これも指揮命令系統や電源があってのことでして、それらがないと大砲も撃ちようがありません。大型の大砲など、砲身の上げ下げにも電力を使いますし、この大砲もいったいどれくらいが撃つことができる状態なんでしょうか?かなり老朽化が進んでいるのではないでしょうか。弾も劣化しているでしょうし、兵士の錬度もどうなんでしょう?もちろん、アメリカ軍は国境線付近の大砲群にもミサイル攻撃を行うでしょう。
もっとも、なぜ北朝鮮がミサイル開発に乗り出したかといえば、この大砲群の維持管理ができず、役に立たないと思ったからです・・・。


4.北朝鮮は、山間部に地下発射施設を持っていて、そこから報復ミサイルを撃つ・・・?
山をくりぬいて作った保管施設ぐらいはあるでしょうけど、発射施設は無理でしょう。弾道ミサイルってのは、一度発射管にいれたらおしまいってわけじゃなくて、定期的にメンテナンスします。軽微なものなら発射管に入れたままで修理できますが、深刻な故障の場合、ミサイルを発射管から出して修理します。ミサイルは10メートル近くありますから、クレーンで吊り上げることになるんですが、山の中にそんな大きなクレーン車を持ってゆけますか?

持ってゆくには、そこまできちんとした道路を作らないといけませんよね?そんなことすれば、位置がバレバレなんで山の中に作る意味がないです。そのため、ロシアやアメリカの発射施設は平地に作られています。

それに発射管のハッチの開閉チェックも定期的に行わないといけません。これは衛星ですぐに分かります。なので、山の中にコッソリ作る意味がありません。てか、地下に作ってるのは隠匿が目的じゃなくって敵の核攻撃から守るためです。しかし前述の通り、位置がバレバレですから、地下発射施設は先制攻撃用なんですね。そのため、報復用として潜水艦や爆撃機の核ミサイル・爆弾があるわけです。詳しくは、拙著「ミリタリーナレッジレポーツVOL14-16」をご覧ください(笑)
※軍事ジャーナリストとか軍事評論家って人がこんなこと言ってるんで大丈夫かと思いますよ・・


5.車両搭載型ミサイルは脅威だ
この前、コールド・ランチ型の発射車両からミサイルを発射した映像が出ました。もちろん、あれは脅威ですけど、問題はあの発射車両を何台持っているかってことです。あれ、一台しかもってないならほとんど意味ないです。

1発撃って、次のミサイル撃つには、発射管を垂直に立ててクレーンでミサイルを入れて、その後で接続や設定をしなければなりません。その作業に30分から1時間はかかるでしょう。そんなチンタラやってたら、すぐに発射場所を特定されて空爆されて終わりです。何十台もあるから、間断なくミサイルを撃って、信長の鉄砲の三段撃ちみたいな効果が生まれるわけです。

1台だけなら、車両の隣にミサイルをズラッと並べておかないといけないわけで、そんなの衛星から丸見えで隠匿性もあったもんじゃないです。
ちなみに水中発射した潜水艦は、旧ソ連のゴルフ級で50年前の通常動力の潜水艦です。なのでアメリカ近海どころか日本海すら出ることができないでしょう。しかも、5メートルくらいまで浮上しないとミサイルが発射できないので、簡単にソナーで探知されちゃうでしょうね。

だいたい、何度かミサイル発射してますけど、成功したり失敗したりと安定していません。つまりこれは、北朝鮮軍がミサイルを独自開発しているわけでもなければ、ミサイルを熟知しているわけでもないのです。過去に買いだめしていたソ連製ミサイルを、倉庫から出してきてメンテナンスもせずに撃ってるだけなんです。

ノドンやテポドンが何千発もあるらしいですけど、そのうち、何発が撃てる状態で、何発成功するか分かりません。なので北朝鮮からすれば、続けて何発も撃たなきゃならない状態が起こると、お粗末な状況が知られてしまうので、「小出しに撃って威嚇する」しかないのです。


6.北朝鮮軍は死に物狂いで戦う・・・?
朝鮮戦争の経緯を見てもらえばわかりますけど、戦線が北へ南へと大きく変わってます。なんでこんなことが起きたのか? それは韓国軍や北朝鮮軍が「逃げた」からです。朝鮮戦争だけじゃないです。

歴史を見れば、朝鮮人は逃げまくりです。秀吉の朝鮮出兵だって、あっという間に中国国境まで行ってます。つまり朝鮮民族ってのは、ヤバくなったらさっさと逃げる奴らなんです。
なので万が一、第2次朝鮮戦争が始まったとしても、中国の介入がないかぎり瞬殺だと思います。

ちょっと話がずれますが、金正恩は戦略家なのか疑問ですね。たぶん、親父とお爺さんは戦略家だと思いますが、そのDNAというか、そのやり方や思想を受け継ぐ時間があったとは思えないんですね。なので、ミサイルの発射とか核実験とか、戦略的な考えがあってやってるんじゃないと思うんですね。一言で言うと「行き当たりばったり出たとこ勝負」。

建国から3代目で、王様に「農業生産力が上がった」とかなんて言えないほどヤバイことになってて、家臣たちも言い繕うことができないほどなんでしょう。でどうするかというと、建国以来、少し買いためてきたミサイルを小出しに撃って、
「アメリカや中国、日本はビビッてます」とか何とか言ってるんじゃないかと。なので、実際にアメリカが攻めてきたら、王様なんて見捨ててさっさと逃げると思いますね。

イラクのフセインだって無敵の親衛隊がありましたけど、アメリカが攻め込んだら、すぐに消滅しましたし。独裁者ってのは同じ運命をたどると思います。


7.金正恩の居場所が分からないから特殊作戦は無理・・・?
確かに金正恩の殺害を目的とするなら、居場所が分からないと困りますが、目的は本人の暗殺ではなく、政体の破壊です。なので指揮命令権がなくなってしまえば、どこかで野たれ死んでもらってもいいわけです。フセイン、カダフィなんかもそうでしたよね。

んで、最近、報道陣の前に本人が姿を現しましたけど、これは致命的なミスですね。これで、少なくとも平壌にいることが確定しましたから、これから平壌周辺をしっかりマークしていれば、正恩の居場所を特定するのは難しくありません。

平壌を出ることがあっても、まさか1人で軽トラを運転するわけがありませんし、数十台の車列が出るのが衛星で分かりますからねぇ・・。


8.本当はみんな分からない?
テレビ報道なんかを見てますとね、北朝鮮情勢に詳しいといわれる専門家が、あるときは
「A委員長ってのが権限を持ってて・・」と言ったかと思えば、
「親戚のB氏ってのが思想的に影響力がありまして・・」。その次の日は、
「C将軍が実際の軍隊の指揮権を持ってます」とかなんとか・・・。
聞いていれば、毎日いろんな人が出てくるんですが、本当に偉いのは誰なんでしょう?

つまるところ、日本の専門家って人々は、北朝鮮のことなんか全然知らないんでしょうね。
北朝鮮って世界的に孤立してるイメージですけど、国交がないのは、日本、アメリカ、韓国ぐらいで、そのほかの国とは国交があって、平壌に大使やそれに準じる役職の人々がいるんです。アメリカはそれらの国々から間接的に、場合によってはそれらの国に多額の援助や政治的な見返りを保障して、自国の工作員をそれらの国の大使館員に成りすまして、情報収集をしていると思います。本当に能天気に知らないのは日本だけなんでしょう。

この工作員の目的は、政府幹部の懐柔です。イラク戦争のときもそうでしたが、CIAの工作員が潜入して途方もない買収工作をしました。結果的に、軍首脳や将軍の懐柔、部隊の配置などを把握していました。一説によると、イラクの中枢システムに入るために必要なIDとパスワードまで持ってきた政府高官もいたらしいですし。

アメリカが軍事オペレーションをするのであれば、ミサイルだけ撃ってオシマイってことはないですね。
アメリカが一番気にしているのは、日本の協力体制でしょう。北朝鮮で戦争が始まったら、横田や厚木から輸送機や戦闘機を発進させなくちゃいけません。負傷者も日本の病院で手当しないといけません。そのとき、反対運動が起こっちゃ大変ですよ。中国や韓国なんかよりも、日本の動きによって、北朝鮮情勢は変わると思います。  


Posted by 友清仁  at 09:55Comments(1)お知らせ

2014年08月29日

イラク戦 始動!!

「Special Forces in Afghanistan  War against terrorism」を
読者登録していただいた皆様へ

読者登録、誠にありがとうございます。
3月に、突然休止した本ブログですが、
このたび、9月3日(水)より、
「Special Forces in Iraq Capture Saddam Hussein」を開始いたします。

このブログは、アフガンとは別ブログになりますので、ブックマーク等変更よろしくお願いいたします。できるだけ週1の更新を心がけます。よろしくお願いいたします。




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Posted by 友清仁  at 15:34Comments(0)お知らせ