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Posted by ミリタリーブログ  at 

2009年10月07日

作戦前夜 Before the Operation

2001年9月22日、第5特殊部隊(Special Force Group・・・SFG)の隊員数名が、アフガニスタンのハーナーバード空港へ降り立った。彼らの外見は、あたかもアフガンに商用に来たビジネスマンか旅行者のようだった。彼らの任務は、対タリバン作戦に必要な情報の収集およびアフガン軍閥の首長たちの懐柔である。そのため、隊員たちにはアフガニスタンで自由に行動できる権限と族長たちを買収するための膨大な金を持たされていた。

今回、先発隊として派遣された彼らのほとんどが、かつてアフガン・パキスタン周辺で秘密作戦に参加したことがあり、ウズベク語やタジク語に堪能であった。隊員たちは、空港で現地人から車を数台買い取ると、複数のグループに別れ、アフガン各地に散っていった。

10日後、ウズベキスタンの某所に臨時に設営された飛行場に、第160特殊作戦航空連隊のヘリコプター数機に分乗して、第5SFG大隊および司令部の士官が到着した。

なぜ某所なのかというと、ウズベキスタン政府は、タリバンに対し攻撃的な作戦を行う目的ならば、飛行場を使用させないと表明していたのである。そのためアメリカ軍は、現地民に大量の金を与え、臨時の飛行場を造り、臨時基地としたのだ。しかし1週間もすると、この苦労も意味のないものとなった。ラムズフェルド国務長官の魔法のような交渉術により、ウズベキスタン国内の3ヶ所の空港が公式に使えるようになった。

空港が使用できるようになると、第5SFG本隊もウズベクへ入国した。すぐにアメリカ軍とは分からぬように偽装してアフガン‐ウズベキスタン国境まで移動し、適所に監視所を設営、アフガン国内を監視していた。

先にアフガンに侵入した第5SFG隊員たちは、大量のドル札を使ってアフガン国内の軍閥を懐柔し、軍閥幹部に、来る最高戦略会議に出席することを約束させた。しかし軍閥幹部たちの態度は曖昧で、状況が変われば、簡単に裏切る可能性があった。


次回更新は、10月14日 「最高戦略会議」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:21Comments(2)Story(物語)