2009年10月28日

アフガンの特殊部隊 SF in Afghan

アメリカ軍では、特殊部隊(Special Force・・・SF)とは、主にグリーンベレーで編成された部隊のことを指し、グリーンベレーと他の陸海空軍の部隊で編成された部隊のことは、特殊作戦部隊(Special Operation Group・・・SOG)と呼んでいる。

特殊部隊は、局地的な戦闘に投入される実戦部隊であるのに対し、特殊作戦部隊は、軍事的な効果はもとより、政治、経済、さらには国民感情といった非常にセンシティブなことにまで影響を与える作戦を行う部隊である。

中央軍(CENTCOM)司令トミー・フランクス大将の管轄下には、4個の特殊作戦部隊があった。
それぞれ、

1.統合特殊作戦部隊 (the Combined Joint Special Task Force)
2.統合特殊作戦山岳軍 (the Combined Joint Special Task Force-Mountain)
3.対テロ合同調整機動部隊 (the Joint Interagency Task Force-Counterterrorism)
4.連合軍合同政軍作戦機動部隊 (the Coalition Joint Civil-Military Operation Task Force) 
である。

このうち、アフガン戦初期に作戦を行なったのは、1の統合特殊作戦部隊であり、隷下に3個の特殊作戦機動部隊(Joint Special Operation Task Force)を置いていた。それぞれ
機動部隊(Task Force)タガー(小刀)、K-バー(コンバットナイフ)、およびソード(大刀)である。

これらの部隊の中核をなしたのが、グリーンベレーで構成された特殊部隊であり、特に特殊部隊のことを作戦分遣隊(Operation Detachment)A、B、Cと呼称した。


次回更新は、11月4日 「中央作戦軍」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:58Comments(0)knowledge base(基礎知識)

2009年10月21日

トミー・フランクス Tommy Franks

アフガニスタン、さらに後のイラク戦を指導した、中央作戦軍司令官トミーフランクスは、他の将官とは異なり、一兵卒から大将にまで上り詰めた人物である。

彼は、オクラホマ州トミー・レイ・ベントリーで生まれた。その後、家族の稼業のため、テキサス州へ移り、テキサス大学に進んだ。しかし成績不良で2年で中退してしまった。

ベトナム戦争が始まった1965年に陸軍に入る。基礎訓練を終えたのち、大学中退者であるため、フォートデヴェンズ(マサチューセッツ州)で暗号の作成解読分析官の課程へ進み、同課程を修了する。
その後、陸軍砲兵およびミサイル士官学校に進み、1967年に少尉に任官する。少尉任官と同時にベトナムへ派遣され、第9歩兵師団の前線の砲兵部隊の副官を務めた。このときは、忠実に任務をこなす少尉として評価が高かったようである。

1968年にベトナムから帰還し、高射砲課程に進む。翌年、陸軍の大学中退者のための学位取得キャンペーンにより、テキサス大学へ戻り卒業する。再び軍に戻った彼は、上級砲兵課程に進み、1973年に西ドイツにわたり、第2機構連隊第1砲兵大隊副官となった。

陸軍幕僚大学へ進み、1976年に軍監査部長官となり国防総省で勤務した。
1977年には陸軍の議会対策委員となり、陸軍の予算獲得のための議会対策に奔走した。
1981年に再び西ドイツへ戻り、第78野砲連隊第2大隊の司令官となった。1984年、陸軍大学へ進み、師団長過程を受、1987年に第1騎兵師団参謀長となる。

1992年、第1騎兵師団師団長として湾岸戦争に参加する。戦後は韓国に渡り、在韓米軍第2歩兵師団師団長を経て、1997年、大将に進級し、中央作戦軍司令官となる。



次回更新は、10月28日 「アフガンの特殊部隊」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 06:51Comments(2)knowledge base(基礎知識)

2009年10月14日

最高戦略会議Supreme strategy meeting

2001年10月30日、最高戦略会議がタジキスタンのドゥシャンベで開かれた。会議には、トミー・フランクス中央軍司令官および反タリバン勢力の幹部が参加した。この程度の会議に中央作戦軍司令官であるフランクス大将が参加する必要はないのだが、アフガンの族長たちに、アメリカの「本気」を見せる必要があるため、はるばるアメリカ本国からやってきたのだ。

会議の前段でフランクス大将は、「我々はタリバン政権を倒す。そのため、皆さんのお力をお借りしたい。今日は、皆さんのご意見を頂きたい」と述べた。

会議は紛糾した。否、族長たちの一方的な意見が相次いだ。しかし内容といえば、「兵士に支払う金がない。援助してくれ」、「村に衛星テレビをつけろ」、「(自分の)子供をアメリカに無償で留学させて欲しい」など、戦略的意見というよりは陳情といった方が正しかった。もちろん、中央作戦軍司令官が聞く内容ではない。

フランクス大将は、この「最高」戦略会議のありさまに、本国での膨大な仕事を放り出してまで会議に来たことを後悔した。おそらく、彼のオフィスの机には、決裁すべき書類が山のように詰まれているに違いない。そう思うと、言いたい放題の族長たちに怒りが込み上げてきたが、ここで彼らを怒らせるわけにはいかないため、終始、笑顔で族長たちの「貴重な意見」にうなずいた。

いつ終わるとも知れない「会議」にしびれを切らしたフランクス大将は、「皆さんの意見、確かに受け賜りました。資金や物資など、当座、必要なものはすぐに送ります。それ以外は、戦争後に実現することをお約束します」。そう言うと、すぐに席を立ち、ヘリに飛び乗った。

帰りの機中、「奴らは金で釣っておけ。裏切らなければ、それでいい」。フランクス大将は、吐き捨てるように副官に言った。

次回更新は、10月21日 「トミー・フランクス」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:53Comments(3)Story(物語)

2009年10月07日

作戦前夜 Before the Operation

2001年9月22日、第5特殊部隊(Special Force Group・・・SFG)の隊員数名が、アフガニスタンのハーナーバード空港へ降り立った。彼らの外見は、あたかもアフガンに商用に来たビジネスマンか旅行者のようだった。彼らの任務は、対タリバン作戦に必要な情報の収集およびアフガン軍閥の首長たちの懐柔である。そのため、隊員たちにはアフガニスタンで自由に行動できる権限と族長たちを買収するための膨大な金を持たされていた。

今回、先発隊として派遣された彼らのほとんどが、かつてアフガン・パキスタン周辺で秘密作戦に参加したことがあり、ウズベク語やタジク語に堪能であった。隊員たちは、空港で現地人から車を数台買い取ると、複数のグループに別れ、アフガン各地に散っていった。

10日後、ウズベキスタンの某所に臨時に設営された飛行場に、第160特殊作戦航空連隊のヘリコプター数機に分乗して、第5SFG大隊および司令部の士官が到着した。

なぜ某所なのかというと、ウズベキスタン政府は、タリバンに対し攻撃的な作戦を行う目的ならば、飛行場を使用させないと表明していたのである。そのためアメリカ軍は、現地民に大量の金を与え、臨時の飛行場を造り、臨時基地としたのだ。しかし1週間もすると、この苦労も意味のないものとなった。ラムズフェルド国務長官の魔法のような交渉術により、ウズベキスタン国内の3ヶ所の空港が公式に使えるようになった。

空港が使用できるようになると、第5SFG本隊もウズベクへ入国した。すぐにアメリカ軍とは分からぬように偽装してアフガン‐ウズベキスタン国境まで移動し、適所に監視所を設営、アフガン国内を監視していた。

先にアフガンに侵入した第5SFG隊員たちは、大量のドル札を使ってアフガン国内の軍閥を懐柔し、軍閥幹部に、来る最高戦略会議に出席することを約束させた。しかし軍閥幹部たちの態度は曖昧で、状況が変われば、簡単に裏切る可能性があった。


次回更新は、10月14日 「最高戦略会議」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:21Comments(2)Story(物語)