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Posted by ミリタリーブログ  at 

2010年02月03日

チーム595 The team 595

ハード少尉率いるチーム555がバグラム付近のタリバンを空爆で一掃している一方で、チーム595もアフガンに侵入していた。

チーム595の作戦目的は、ダリ・ア・サーフ渓谷付近に降下し、北部同盟で最大軍閥である、アブドラ・ラシェッド・ドスタム将軍を抱きこみ、マザリ・シャリフを占領することである。

チーム595も簡単にアフガンに侵入できたわけではなかった。ウズベクの基地からサーフ渓谷まで間には、世界2位の高さの山、ゴドウィンオーステン山(8611m)がそびえており、この山を超えなければならなかった。チーム595を乗せたチヌークは、高度1万mを飛行した。機内の温度は-15度。電熱服を着ていない特殊部隊隊員の中には、ガチガチと歯を鳴らす者もいた。

20日、深夜2時。チーム595は、無事にドスタム将軍の拠点内に設営されたヘリポートに着陸した。すでにドスタム将軍の陣営に入り込んでいたCIA工作員ウォールが出迎えてくれた。ウォールは、チーム595の隊員を用意されたテントへ導くと、「ドスタムは、未だにタリバンとアメリカを天秤にかけている」と、チーム595の隊長、ガードナー中尉に告げた。ウォールによると、すでに数百万ドルの金をドスタムやその側近にばら撒いているのだが、あまり成果はないらしい。

翌朝、ウォールがドスタム将軍に面会を側近に要請すると、「将軍は忙しい。追って時間を連絡する」と無愛想に答えた。カードナーは、無為に過ごしていても仕方ないと思い、チームを2つに分け、1つを偵察に行かせ、もう1つはドスタム陣営とのコネ作りをさせた。

数日が過ぎた。ガードナーとウォールが打合わせをしていると、ドスタム将軍と側近たちがドヤドヤとテントに入ってきた。
「同志諸君。機は熟した。これからマザリ・シャリフ攻撃を開始する」。ドスタムは、嬉しそうに言った。どうやらバグラムの空爆の成功を聞きつけたらしい。


次回更新は、2月10日 「マザリ・シャリフ」です。お楽しみに。
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写真は、イメージです。

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Posted by 友清仁  at 07:00Comments(3)Story(物語)