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Posted by ミリタリーブログ  at 

2010年06月16日

攻撃開始2 The Kick Off2

11月25日、深夜0時。照明弾が打ち上げられ、北壁に展開しているドスタム軍が一斉に射撃を開始した。

とはいえ、ドスタム軍は、暗視装置を持っていないため、タリバンがいる南側に向けて、文字通り「めくら撃ち」をしているにすぎない。それに対して、タリバンは、敏感に反応した。彼らは、武器弾薬が豊富なことに加え、決死の覚悟をしているため、ドスタム軍に向けて正確に射撃し、勇猛に突進してきた。

タリバン兵のあまりの勇猛さにドスタム軍は圧倒され、占領した北壁から逃げだす者も現れた。この様子を見たガードナー中尉は、すぐに北壁によじ登り、「クソ虫ども!踏みとどまれ!」と英語で大喝した。

ドスタムの兵に英語が通じるわけもないのだが、ガードナーの一喝は、言葉を超えて、ドスタム兵に響き、兵たちは落ち着きを取り戻した。そしてガードナーは、近くの兵士の銃を取り上げると、「銃は、こうやって撃つんだ」。と叫び、タリバン兵に向け発砲した。至近距離であったため、面白いほど当った。あとは、ガードナー中尉の指揮の下、ドスタム軍は、きびきびと行動した。

一方、城塞の南東側にまわった部隊である。この部隊は、クリス曹長が率いるSAS隊員を含む10名である。「思ったよりも高いな」。クリス曹長は、城壁を見上げ言った。
しかし長年、風雨にさらされた日干しレンガの城壁はぼろぼろで、よじ登ることはさほど難しくなかった。

部隊は難なく壁を越え、城塞に侵入し、すぐにタリバンが密集する内壁付近に到達した。こちらは、ドスタム軍と違って、全員が暗視ゴーグルだけでなくGPSも装備していた。
タリバン兵は、ドスタム軍との戦闘に気をとられ、クリス達が侵入したことにすら気がついていない。

「敵さんが遊んでいる間に、俺たちは、さっさと仕事をしちまおう」。クリス達は、すばやくレーザー識別機を城塞の適所に取り付けた。

クリス曹長は、城塞に侵入した隊員が全員、集合場所に集まったことを確認すると、無線で城外のCCTに、「バーベキューの準備が整った。ウェルダンで焼いてくれ」。と言い、ただちにデイブが篭る南塔の捜索を開始した。


次回更新は、6月23日「ターニングポイント」です。お楽しみに。
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写真は、イメージです。



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Posted by 友清仁  at 07:00Comments(2)Story(物語)