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Posted by ミリタリーブログ  at 

2011年10月19日

墜落 The clashed

5機のブラックホークが、闇の中をアフガニスタン南部のウルズガンに向けて飛行している。ブラックホーク5機の内訳は以下のとおりである。各機には、テキサス1から5までのコードネームがつけられている。

テキサス1 キャスパー(CIA)、ハミッド・カルザイ、
テキサス2 ペティソリー大尉、マイク、ロニー、ゼペス(CIA) 
テキサス3 ダン(CCT)、ウェス(CCT)、アレックス(CCT)、ケン(MED)、 
テキサス4 ジェイスン大尉、アシモフ大佐、 
テキサス5 現地で使う物資および機材

当然のことながら、各機には人員だけでなく、武器や弾薬、そして当面の活動に必要な機材が満載されている。

機内は、薄い赤色の非常ライト以外の光源はまったくなかった。ヘリのパイロットでさえ、暗視ゴーグルを装着して操縦していた。ペティソリー大尉は、ヘリのデッキから暗闇を見た。低く鈍いヘリのローター音の向こうに、僚機の緑色の戦術ライトだけが見えた。5機は、この戦術ライトを頼りに編隊飛行している。

当面の作戦として、ウルズガンの某所に降り立ったのち、ODA574は、ウルズガン州の某所(調べましたが分かりませんでした・・)の村に拠点を構え、反タリバン勢力の核となる、ゲリラ部隊300名を組織・訓練する。

空軍の空爆の力を借りながら、ゲリラ部隊を使って各地の要地・拠点を確保し、北部同盟軍の南下準備の時間を稼ぐ。最終的には、北部同盟軍と協働し、アフガン南部最大の都市カンダハルを攻略する。




「テキサス1、キャプテンから僚機全機へ。予定着陸地点付近に到着した。着陸態勢をとれ」。機内の誰も話さないため、機長の通信すら機内に響いた。ペティソリーには、各ヘリの緑色の戦術ライトが一斉に展開してゆくのが見えた。

大量の荷物があるため、1ヶ所にまとめて着陸したいところだが、着陸地点が敵の勢力圏内であるため、1ヶ所に着陸して敵に発見されると、すぐに全滅してしまう可能性があった。

したがって、5機は4~5キロ離れて着陸して、貨物をおろし、貨物を付近に隠匿したのち、人員だけ集合する。集合したのち、協力的な村に移動し、カルザイの手引きにより荷馬を使って機材を村に運び込むことになっていた。

テキサス1が急降下してゆく。機体が大きく傾き、機内のカルザイは、とっさに付近のバーにつかまった。すぐに、ズンっと機体に衝撃が走った。

「カルザイさん、あんたも、もう客じゃない。荷物を降ろすのを手伝ってくれ」。同乗のCIA工作員キャスパーが闇の中で言った。

ついでテキサス2も着陸した。テキサス2に従うように、機材のみを積んだテキサス5も付近に着陸した。ペティソリー大尉ら4名は、2機分の荷物をすばやく降ろした。身軽になったブラックホークは、すぐに秘密基地に向けて飛び立った。

3機の着陸を見届けるように、テキサス3も地面に接近した。緑の戦術ライトが、スーッと移動してゆくのが、最後まで上空にとどまっているテキサス4のジェイスン大尉には見えた。このままうまく行くかと思ったその瞬間、どーんという音と、一瞬だけだが炎が上がった。

異常を察したジェイスン大尉は、すぐにコックピットの無線を取ると、「テキサス3、状況を報告せよ」。と怒鳴った。しかし、無線からの応答はなかった。眼下の闇には、テキサス3の緑の戦術ライトだけが見えた。

「あれは、岩にぶつかったな・・」。隣のアシモフ大佐が言った。「アフガンの砂漠は、上からは真平らに見えても、急傾斜や大きな岩はたくさんある。わしが現役のころは、多少の危険を覚悟しても、ライトをつけて夜間着陸をしたものだ」。

ジェイスンは、なにをいまさら、と言う目つきでアシモフ大佐を睨んだ。アシモフは、その視線に気付いたのか、「炎上していないところを見ると、ヘリは無事なのかも知らん」。とのんきに言ったが、ジェイスンにとっては何の解決にも、なぐさめにもならなかった。

「テキサス4からオールテキサスへ。作戦に変更はない。テキサス4も着陸態勢に入る」。
ジェイスン大尉は、闇に浮かぶテキサス3の戦術ライトを見つめ、無線を切った。


次回更新は、11月2日、「テキサス3」です。お楽しみに。(週末、ハートロックなんで、1週お休みします・・謝)
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Posted by 友清仁  at 06:58Comments(0)Story(物語)

2011年10月12日

ODA574 2

「あのオヤジを連れてゆくのは、いったいどうゆうことだ?」。 ジェイスン、ペティソリー両大尉は、CIA工作員キャスパーに詰め寄った。両人は、アシモフ大佐には分からないように英語で話した。

詰め寄られたキャスパーは、意外と言うような顔をして、「アシモフ大佐を連れて行けといったのは、君らの上官のマルホールドランド大佐だ。私は、カブールからここまで連れてきただけだ」。と反論した。

「すまないが、あのオヤジを乗せるスペースはない。暇つぶしにあのオヤジの話を聞くなら、ニンテンドーを持っていくほうがマシだ」。ペティソリーは、重ねて言った。

しかしキャスパーは、そんなことは上官に言え、と言わんばかりの顔でその場を立ち去ってしまった。残された2人は、アシモフに、「大佐、とりあえず荷物をあちらのテントへ」。と告げた。

ジェイスン、ペティソリーは、秘密基地の臨時司令官である、クリス・ミラー少佐に掛け合うことにした。しかし、クリス少佐も、この件に関しては何ともし難いという顔だった。

クリスによると、アシモフ大佐の件は、「文官」的軍人のマルホールランド大佐の独断らしい。マ大佐曰く、ODA555、595の華々しい成功の前に、ODA574が失敗することは許されない。ODA574の実力は確信しているものの、実戦経験豊富な?アシモフ大佐を付けることで磐石になる・・・。

どうやら、実戦経験のないマ大佐は、アシモフの武勇伝にすっかり魅了されてしまったようである。

さらに、航空戦力、特にヘリコプターが不足している在アフガン特殊部隊において、バグラム空軍基地、リノ基地ともに稼働しておらず、第160航空連隊のヘリはフル稼働状態であった。

一時的にせよ、ブラックホークを5機も手配できたのは、文官的軍人のマルホールランド大佐の、ずば抜けた調整能力のおかげであり、アシモフの件でモタモタしていると、ヘリコプター自体が他の任務にまわされてしまうとのことだった。

両大尉は、これ以上は無駄だと悟り、クリス少佐のテントを出た。「あのオヤジも軍人だ。戦力の足しにはなるだろう」。ジェイスンは、ペティソリーに言った。

2001年11月15日未明、カルザイとODA574を乗せたブラックホーク5機は、アフガン南部へ向けて漆黒の闇の中を離陸した。

しかし、軍事作戦にトラブルや想定外のことが起こることは、ある意味、想定しなければならない。ODA574も、作戦開始早々、想定外のことが起こるのである。


次回更新は、10月19日 「墜落」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 06:58Comments(2)Story(物語)

2011年10月05日

ODA574 1

マルホールランド大佐、そしてクリス、ケリー両少佐が、フランクス大将の控え室に入ると、「どうやら、CIAの馬鹿どもが、大統領と国務長官の周りで動いているらしい・・」、フランクスは言った。
「おそらく奴らは、現地工作員と無人偵察機を使って、ビンラディンを暗殺して、手柄を自分達で独占しようとしているのだろう。奴らは勝手に行動するくせに、後始末を全部、こっちに押し付けてくる。ムカつく奴らだ」。フランクスは続けて言った。

「実は、私は、CIAの動きを察知していました」。ケリー少佐は言った。どうやらCIAは、以前からアフガニスタン有事の際の行動について、ケリー少佐などの特殊部隊関係者に接触して、情報を集めていたらしい。

「CIAが動き回っているようですが、彼らは、アフガンの首長たちに金や無線機をばら撒く以外のプランを持っていません」。ケリー少佐は、続けて、不正規戦特殊部隊による作戦を、フランクス大将に説明した。

フランクスはしばらく沈黙すると、副官に向かって、「中央特殊作戦軍指令アルバート・カルランド少将を中心に、部隊編成と出撃準備を急げ」。と命令を下した。

※これ以後、バグラム空軍基地周辺にODA555、マザリシャリフ周辺にODA595がCIA工作員とともに派遣される。




2001年11月14日、第5特殊作戦軍がカルザイ救出作戦のために用意した秘密基地は、チヌークとブラックホークのエンジン音で騒々しかった。カルザイとともに、アフガン南部に侵入し、南部に反タリバン勢力を作るのである。この南部侵攻作戦を行うのが、ODA574であり、11名のグリーンベレーなどで構成されていた。

この作戦は、ODA574の隊員とCIA工作員、合わせて11名が第160特殊作戦航空連隊(SOAR)が操縦するMH-60ブラックホーク5機に分乗して、アフガン南部に侵入することになっている。

ODA574の11名の隊員は、仮設のヘリ格納庫で出撃の準備をしていた。どの隊員も正規の戦闘服ではなく、BDUのズボンだけは、3カラーだが、上半身は、ダウンジャケットやフリース、頭は野球帽をかぶっていた。アフガニスタンの風習を尊重して、誰もが、フォート・キャンベルの訓練施設を出てから2ヶ月ほど髭を剃っていなかった。

チームメンバーのロニー、マイク、ブレントの3軍曹は、部屋にうず高く積み上げられた銃や弾丸、そしてレーザー照準器をみて、どれをもってゆくか、どこに収納するかを話しあっていた。

11名の隊員は、ほとんどがグリーンベレーの隊員であるが、その中で3人、空軍からCCTとして派遣されてきたアレックス、ダン、ウェスは、電子機器、無線機の最終チェックをしていた。

ヴィクターは、チーム全体のロード(重量)プランナーで、兵器を選んでいるものと無線機を操作しているものの間で、彼らの重量とヘリコプターの積載重量とを勘案していた。

メディックのケンは、壁にもたれながら、モルヒネ簡易注射器の品質と数をチェックしていた。情報将校のペティソリーと指揮官のジェイスン両大尉は、その光景をじっと見ていた。昼までに、11名は、現地にもってゆく装備の点検を何度も行い、完璧であると確信した。

隊員1人あたりの装備は、M4カービン、M9ベレッタ、グレネード、弾薬、そして水や食料、寝袋や防水カモフラージュジャケットなどであった。今回の任務では、誰もボディーアーマーを装着しなかった。現地に入ってからしばらくは補給が受けられないため、ボディーアーマーの分の重量を食料や装備にまわしたのである。

リュックサックは、必要最低限のものしか入れていないのだが、はちきれんばかりに膨れ上がり、重量は、全部で70キロほどになり、普通の人ならば重さに耐えられないだろう。

そのほかの現地アフガン人に与える医薬品、コンピュータ装備などは、6つのダッフルバックに詰め込まれた。これらの搬送については、現地についてからカルザイが駄馬を手配することになっている。ブラックホークの積載量が大きいといっても、これ以上の荷物は詰め込めないだろう。

午後3時、ODA574のメンバーが、ブラックホークに荷物を積み込んでいると、CIA工作員、コードネーム、キャスパーが、ハンヴィーに乗って現れた。助手席には、もう1人乗っていた。

キャスパーは、車から降りると、「すまないが、人員が1人増えた。その分のスペースを空けてくれ」。といい、車内のもう1人の男に、車から出るように目配せした。「こちらはオブザーバーとして従軍する、カザフ軍空挺連隊のアシモフ大佐だ」。

「同士諸君、久しぶりだ」。アシモフ大佐が現れると、「なんだと?」、ジェイスインは叫び、ペティソリーは、横を向いて、つばを吐いた。


次回更新は、「ODA574 2」 です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:01Comments(0)Story(物語)