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Posted by ミリタリーブログ  at 

2013年11月06日

キャンプ・アルファ 9 camp A

「紹介しましょう。こちらは、今回の作戦のオブザーバーのチャーリー・ベッカーさんです」。
カポスが部屋のライトをつけて、ダンハムに紹介した。映像の途中で入ってきたのか、それとも始めからそこにいたのかわからないが、その人物は、カポスがその名を告げるまで、ダンハムは全く気が付かなかった。ダンハムは訳がわからなかったが、とりあえずチャーリーに会釈した。しかし、チャーリーは、微動だにしなかった。

初めてチャーリーを見て、その姿に、ダンハムはギョッとした。両足が膝から下がなく、左手も指がほとんどない。その様子から、傷痍軍人であることはすぐにわかった。

「時間がかかりすぎる」。
この言葉に、ダンハムは少しイラついた。今回は、初めての突入訓練であり、目的は、各人の動きを確認するためのものであって、これから訓練を重ねればもっと短くなるはずである。今回は15分だったが、10分くらいまで縮められるだろう。

「時間がかかりすぎだ。どんなに長くとも、8分が限界だ」。チャーリーは言った。
8分だと?ダンハムは、イラつきから怒りに変わった。
「あなたが何者かは知りませんが、あの建物の規模を考えれば15分はかかり過ぎにしても、8分は無理だ。むしろ8分で攻略できる手段を教えて欲しい」。

「そこをなんとかするのが、あんたらの仕事だ」。
チャーリーは、カポスの顔を見て、
「そろそろ、任務について教えてやってもいいのでは?」
カポスもそのつもりだったようで、頷いた。

「ダンハム大尉、今回の任務は、ほかでもなくビンラディンの暗殺です。そして、あなた方シールズ チーム6がこの作戦の実働部隊として選ばれました。心してこの任務にあたって欲しい」。
カポスは一気に言った。その言葉に、ダンハム大尉の体に衝撃が走った。

まさかとは思ったが、アメリカはついにビンラディンの居場所を突き止めた。そして、その襲撃作戦にシールズが選ばれた・・・。
なんということだろう。ダンハムは少し動揺した。動揺しているダンハムを全く無視するように、チャーリーが、8分以内でなければならない理由を説明し始めた。

ひとつは、領域侵犯であること。もう一つは、屋敷の近くに警察署や軍施設があり、すぐに搜索の手が伸びること、であった。一般的に15分という作戦時間は、十分、合格点だが、不測の事態が起こった際に、15分では対応しきれず、おそらくパキスタン軍が動き出す可能性があった。

ダンハム大尉は、呆然と聞いている。チャーリーが続けた。
「その代わり、交戦規定は特別とする。まず、ビンラディン本人に対しては、背を向けて逃走しても、射殺しろ。むしろ、生け捕りは困る。・・・・たとえ降伏を願い出ても射殺しろ」。
「屋敷には、ビンラディンの家族が住んでいる。女子供でも、作戦を妨害する行動をとったらならば、射殺してもよい」。

一通り、説明が終わると、チャーリーは、「以上の条件を下に、再度、作戦を練り直して欲しい。だが、部下には、まだビンラディン襲撃作戦であることを教えるな」。と付け足した。

以上で、検討会が終わった。ダンハム大尉は、部下の待つ倉庫へ歩いて行った。体が興奮しているせいか、アフガンの夜の空気がよけい冷たく感じた。

次回更新は、11月13日「キャンプ・アルファ」です。
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Posted by 友清仁  at 07:00Comments(0)Story(物語)