2010年03月10日

オマル師 襲撃 Raid Omar

75レンジャーがリノ空港の夜襲を敢行しているとき、もう1つの部隊が、極秘作戦を行っていた。作戦内容は、カンダハル近郊の別荘に滞在しているオマル師とタリバン幹部の拘束である。

この作戦を行ったのは、デルタ・フォースと思われる。なぜ、「思われる」なのかは、このデルタ・フォースという部隊は、まったく公式に認められていないテロ対策専門の秘密部隊だからである。

オマル師拘束の作戦は、アフガンに潜伏しているCIA工作員からの「カンダハル近郊の別荘にオマル師が滞在している」との情報が入ったためで、しかしそれ以外の情報、例えば建物の構造がどのようになっているとか、守備兵がどれくらいいるかなどは、まったく分からなかった。

オマル師襲撃部隊は、コール曹長以下8名のデルタ・フォースであった。8名は、ヘリから降りると、暗闇の中、別荘まで500mの位置まで進んだ。
「何か見えるか?」。とコール曹長は、暗視機能付きのスコープをのぞいているスナイパーに訊いた。「画像が鮮明ではないのでよく分かりませんが、守備兵らしきものはいません」。とスナイパーは答えた。
コール曹長は、別荘にオマル師がいて、守備兵が多い場合は、突入せず、別荘を監視し、応援部隊を要請するように命令を受けていた。判断の難しいところである。

スナイパーをそのまま監視させ、コール曹長以下7名は、別荘の塀際まで進んだ。深夜で寝静まっているのだろうか、内部に人の気配がしない。7名は、塀を乗り越え、別荘の敷地内へ入った。相変わらず人の気配はしない。

コールは部隊を2つに分け、自分は母屋を、もう1つは離れを捜索するように命令した。コールの部隊が母屋に侵入した瞬間、「ファック!」とコールは怒鳴った。コールが見たものは、テーブルに並べられた、食べかけの夕食であった。

明らかにオマルはここにいた。わずかの差でオマルに逃げられてしまったのだ。しかし母屋には、タリバン政権に関わる重要書類が残されていたため、それらを押収した。まんざら無駄足でもなかった。
しかしコール曹長は、悔しかった。そして、「鷲は逃げ去った」と、短く司令部へ報告した。


次回更新は、3月17日 「オマル師」です。お楽しみに。
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写真は、イメージです。

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Posted by 友清仁  at 07:01 │Comments(0)Story(物語)

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