2010年06月09日

攻撃開始1 The Kick Off 1

デイブたちはどこにいるのか。救出作戦を立てる上で、最も重要であった。幸い、デイブたちが衛星携帯電話を持っていたので、これは簡単に分かった。

彼らは、城塞の中ほどの塔に隠れているようである。デイブからの情報では、タリバンたちは、ドスタム軍の砲撃を恐れ、城塞の南東側に集中しているようである。一時はデイブたちが隠れている塔へ、盛んに銃撃を加えていたが、現在は小康状態だという。

ガードナーは、部下のグリーンベレー、SASおよびドスタムの側近を呼び集めた。ガードナーは、その場にしゃがみ、小石を摘み上げると、クライ・シャンギ城塞の略図を地面に描いた。地面には、2重の長方形が描かれた。

「現在、ドスタム軍が城塞の北壁を押さえている。そして、デイブたちは、内壁の塔に隠れているそうだ」。地面の略図に、情報を書き加え、「そして、タリバン兵は、内壁の南東に集中しているらしいが、5~10人くらいのタリバン兵が絶えず城内をうろうろしていて、負傷したデイブだけでは、民間人を誘導して脱出することは難しいようだ。さらに、我々が侵入しても、タリバンの小部隊と遭遇すれば、戦闘となる。そうなれば、我々は、狭い城内でタリバンに囲まれて全滅する」。

ここまで話して、ガードナーは、顔を上げて、「そこで、人質の救出とタリバンの撃滅を同時に行う」。と皆を見て、凛として言った。

ガードナーの作戦は、以下のとおりである。
1.北壁のドスタム軍がタリバンに向け銃撃を開始する。この銃撃は陽動作戦であり、積極的な行動はしない。
2.タリバンが気を取られている間に特殊部隊が城内南東部に侵入し、戦術レーザー(TLD)を取り付ける。
3.城外の戦闘管制(CCT)が、レーザー識別機(TLD)の信号をもとに航空機を誘導し、タリバンを空爆する。
4.空爆で混乱しているタリバンを避けつつ、デイブらを救出する。(万一、タリバン兵に遭遇しても、彼らは混乱しているため、組織的な行動が取れない)

ガードナーは、城内に進入する隊員を選定すると、「作戦開始は、今夜0時。それまでに各員は、配置につけ」。と言った。

ついで、衛星携帯電話でデイブたちに向けて、「おい、今から助けてやるからな。もうしばらく・・・」。と告げたのだが、電話は途中で切れた。ガードナーは、不思議な胸騒ぎを感じた。


次回更新は、6月16日「攻撃開始2」です。お楽しみに。
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写真は、イメージです。
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Posted by 友清仁  at 07:02 │Comments(0)Story(物語)

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