2010年11月10日

タクールハーの戦い2 Takur Ghar 2

2002年2月中旬。アルカイダ司令官ハザラト・アリは、約120名の兵士とともにタクール・ガール山に登った。タクール・ガール山は、未だかつて人が足を踏み入れたことのない山で、登山道などない。アリは、司令官でありながら、兵士と同様に、自動小銃と弾薬を持って徒歩で山に登った。道を作りながら登ったため、山頂まで、丸2日かかった。

山頂からシャハ・エ・コット渓谷を見下ろしたアリは、驚いた。なんと、山頂から渓谷全体が見渡せるではないか。この瞬間、アルカイダ司令官ハザラト・アリは、アメリカ軍の意図が分かった。アメリカ軍は、山頂に着弾観測点を造り、アルカイダを砲撃するつもりなのだ。

この山頂に着弾観測所を造られれば、渓谷に展開しているアルカイダ部隊は、ピンポイントに空爆・砲撃され、全滅するほかない。アルカイダ司令官ハザラト・アリは、アメリカ軍もいいところを見つけたものだと感心する一方で、もう少し行動が遅れていれば、砲撃で全滅していたかもしれないと、背筋が寒くなる思いだった。

早速、アリは、兵士に陣地を作るように命令した。くぼ地を掘り下げてタコツボをあちこちに造った。

タコツボの上には天蓋を設け、上に雪を乗せて上空からはタコツボと分からないようにした。昼間はアメリカの偵察ヘリが頻繁に行き交うため、作業はすべて夜間に行われた。さらに兵士を100名増員し、ふもとからできる限り多くの武器弾薬を運ばせた。

山頂に造られた、いちばん大きなタコツボを作戦指揮所とし、アリは、各戦闘部隊指揮官たちを集め、作戦会議を開いた。

「近日中にアメリカ軍は、この山頂に兵を進めてくるだろう。知ってのとおり、山頂まではろくな道路もないから、奴らは、ヘリコプターでやってくる。」 「まず、そのヘリを血祭りに上げる。すると奴らは、味方を助けるため、逐次、兵力を投入してくるから、それを各個に叩く。我々は最後の一兵まで戦い、アメリカ軍に大量の出血を強いるのだ」。

数日後、タクール・ガール山頂は、アメリカ軍を迎え撃つための強固な要塞に生まれ変わり、あとは、アメリカ軍がやってくるのを待つだけとなった。

次回更新は、11月17日「第10山岳師団」です。お楽しみ。
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Posted by 友清仁  at 07:03 │Comments(0)Story(物語)

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