2010年12月01日

タクールハーの戦い3 Takur Ghar 3

2002年3月2日深夜、タクール・ガール山頂付近に司令部を構築するため、第160特殊作戦航空連隊、第2大隊のMH-47E、2機が、第75レンジャー連隊およびSeals隊員を載せ、タクール・ガール山頂へ向け、飛行していた。

あと数時間で夜が明ける。山頂の岩肌がうっすらと見えた。2機のチヌークは、それぞれレーザー(かみそり)03、レーザー04とコードネームが与えられていた。2機のヘリには、主にSeals隊員が載っていた。

先頭を行くレーザー04は、タクール・ガール山の北側でホバリングし、周囲の安全を確認すると、着陸態勢に入った。着陸すると、すぐにSealsは、ヘリから飛び降りて展開した。

その一方でレーザー03は、山頂の南側に着陸することになっていた。午前3時ごろ、レーザー03が山頂の着陸地点まであと数メートルまで接近したとき、パイロットとSeals隊長は、雪上に多くの足跡を発見した。明らかに山頂に人がいた証拠である。

司令部に「着陸地点に敵あり」と打電しようとしたそのときである。何発ものRPGがMH-47Eに向けて一斉に放たれ、そのうち1発がチヌークの後部ローターに直撃した。

ヘリはバランスを崩し、左右に大きく揺れた。パイロットが果敢にヘリのバランスを取って、不時着させようと試みているとき、アルカイダは、とどめを刺すかのように、14.5mm重機関銃をチヌークに向けて掃射してきた。

至近距離での重機関銃の威力はすさまじく、チヌークの装甲を板塀のように貫通し、機内の兵士を次々と串刺しにした。

チヌークに放たれた銃弾のうち数発がヘリの油圧系統に命中し、機内は油にまみれ、足元が滑りやすくなっていた。このときSealsのガンナー、ニール・ロバーツ軍曹は、コントロールを失い傾いているヘリコプターのランプ付近にいて、バランスを崩したヘリから振り落とされまいと必死にバーをつかんでいたが、運命は彼を見放した。

アルカイダの銃弾の1発がパイロットに命中し、パイロットは即死した。主のいなくなったヘリは、大きく傾き、その衝撃は、機関銃という重装備を持った二―ル軍曹を、まだ夜の明けきらぬ山頂に放り出してしまった。機内が油で滑りやすくなっていたことも不運であった。

二ール軍曹を雪山の山頂にたった一人だけ放り出してから、数分後、山頂から7キロほど離れた地点にヘリは墜落した。このときから、Sealsおよび第75レンジャー連隊にとって、長い1日が始まった。


次回更新は、12月8日 「タクールハーの戦い4」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:01 │Comments(0)Story(物語)

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