2011年05月04日

ビンラディンはどこに Where's Bin Raden

アフガニスタン戦が始まってすぐに、オサマ・ビンラディンおよびオマルのタリバン最高幹部が姿を消し、それ以後、まったく現れていない。現在、両氏は、どこにいるのだろうか。

結論から言って、両氏はすでに死亡しているか、アメリカ軍に逮捕され厳重に監禁されているだろう。アフガン戦開始直後、ビンラディンは生存していた。それは、アメリカ軍の空爆開始に対する非難声明を発表したことで明らかである。

今回、解説したいのは、この非難声明のビデオである。アメリカ軍とCIAは、この映像を詳細に調査した。彼らが注目したのは、ビンラディンの背後にぼんやりと映っていた山である。その山の輪郭と大きさから山を特定し、非難声明が撮影された場所を約10kmの範囲で絞り込むことができた。その範囲に特殊部隊を急行させ、ビンラディン拘束作戦が行われた。(この作戦では、ビンラディンを取り逃がした)

非難声明の映像により居場所を特定されたと知ったビンラディンは、次の声明では大きな岩をバックに撮影した。これなら居場所が分からないと思ったのだろう。しかしCIAは、この映像も分析した。

注目したのは、背景の岩の色や砂の粒の大きさである。分析の結果、アフガニスタンの一部にある特有の地層であることが判明し、前回の襲撃ポイントから移動できる範囲と偵察衛星などの情報も合わせ、居場所を割り出し、再び襲撃した。(この2度目の襲撃も、ビンラディンは逃げ切った)

アメリカ軍の恐るべき調査・分析能力に驚いたビンラディンは、3回目の声明は、白い布を背景に撮影したがすでに時遅し。アメリカ軍は、2回の襲撃地点と偵察衛星の情報から、すでに30km四方まで、ビンラディンの位置を特定していた。

30km四方といえば広いように思えるが、木々一本ないアフガニスタンの平野ならば、ヘリを1機上空で待機させていれば、容易に追跡できる。

このころになると、バグラム空軍基地がアメリカの支配下にあり、首都カブールも陥落間近で、タリバンのアメリカ同調者もたくさんいた。彼らからの情報も、位置の特定に役立った。(おそらく3回目の襲撃作戦は行われず、タリバンの裏切り者がビンラディンを拘束しアメリカに引渡しのだろう)

昨今、テロリストや犯罪者が多用するデジタル映像は、簡単にインターネットにアップして世界中に流布することができるが、デジタル映像ゆえに、その解析が驚くほど精密にできるのだ。これがビンラディンの命取りになった。

では、なぜアメリカは、ビンラディン逮捕・殺害を世界に公表し、テロとの戦いの勝利を宣言しないのだろうか。

ビンラディンを逮捕、あるいは殺害したと世界に報道すると、「ビンラディンの仇を討て」、といわんばかりに、世界中で小規模なテロが起こることになる。アルカイダ残党は、9.11やロンドン地下鉄爆破などの大規模なことはできなくとも、ショッピングモールにトラックで突っ込むことや街中で銃を乱射することぐらいは簡単にできる。

これこそがアメリカが最も恐れることで、世界中のアメリカ人、欧米人が四六時中、危険に晒されることになるのだ。

ビンラディンは、反米テロリストの英雄である。英雄は「生きている」ことにして、世界中の反米テロリストをアフガニスタンに集めておいたほうが、アメリカにとっては都合が良いのだ。おそらくビンラディンは、100年後も生き続けているだろう。



次回更新は、5月11日「PJ」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 07:01 │Comments(0)knowledge base(基礎知識)

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