2011年07月06日

ドイツ軍特殊部隊KSK KSK

アフガニスタンで戦端が開かれた当初、ドイツ政府は、ビンラディンおよびアルカイダメンバーの拘束、監視を目的とした、アフガニスタンへの軍事組織の派遣を行わない方針を示していた。ドイツ国内では、アメリカの報復戦争に加担すべきではないという世論が圧倒的に多かったためである。。

その一方で、ドイツ政府は、国内のテロ対策に手を焼いていたことも事実で、アラブ系テロリストの被害は少ないものの、ネオ・ナチス党系テロリストが、アルカイダから資金援助を受けていることが明らかで、これを機会に、その資金源を断ちたいと考えていた。

そこでドイツ政府は、あくまで、カブール周辺で活動するISAF(国連軍)の文民官を護衛するという名目で、アフガニスタンに特殊部隊KSKを派遣することを決定した。しかし、実際は、アメリカ軍シールズ、オーストラリア軍SASとともに、トラボラ周辺のアルカイダ拠点の捜索・破壊活動を行っていた。

国内世論をなだめすかして、特殊部隊KSKの派遣が決まったものの、派遣命令を受けたドイツ軍参謀本部は頭を抱えていた。ドイツ軍は、第2次大戦以来、国外で軍事活動を行ったことがなく、実戦経験はもとより、兵站や装備などの知識がまったくなかったのである。(大先輩であるロンメル将軍の戦略も研究されたそうですが、「電撃作戦」であったため、あまり参考にならなかったようです)

クリスマスも間近の2001年12月、ドイツ軍特殊部隊KSK(Kommando Spezial Krafte)が、バグラム空港に降り立った。このとき、すでにカブールは陥落しており、戦場はカブール東部のトラボラの山岳地帯に移っており、人手不足のアメリカ軍は、すぐにKSKを輸送車両に乗せてトラボラへ輸送し、アフガン国内での訓練も不十分のまま、実戦に投入されたのである。KSKが唯一受けた訓練といえば、エジプト国内でイギリス軍と共同で行ったスウィフト・ソードⅡおよびセイフ・セリーアの演習程度であった。
トラボラでのKSKの活動は、実戦というよりは、洞窟を捜索する米シールズの護衛任務といった方が良く、シールズの掃討戦を、「見学」して学んだ。

3月になると、KSKは、アメリカ軍とともにアナコンダ作戦に参加した。このとき、KSKはさほど活躍しなかったのだが、アフガンでの山岳地での移動や戦闘、空爆とリンクした攻撃方法など、貴重な実戦経験を得た。旧ドイツ軍は、世界で初めて山岳師団を作った国にもかかわらず、その後の平和により、山岳戦術などの知識や技術が絶えてしまったのというのは、皮肉である。



アフガニスタンのKSKは、4個ライフル中隊および1個偵察中隊で編成されていたようである。今回は、国外で活動することから、上記に加えて、通信中隊、兵站中隊および医療中隊の3個支援中隊を引き連れていったようである。作戦部隊は、士官および下士官だけで編成されていた。

次回更新は、7月13日「オーストラリア特殊空挺連隊」です。お楽しみに。
ご意見、ご質問をお待ちしております。(今回、サムネにして、写真を多くしてみました。ご意見お待ちしております)


------------------------------------------------------------------------------------------
同人誌も発行しております。こちらもどうぞ。同人誌書店COMIC ZIN通販ページと 虎の穴通販ページに飛びます。(購入には会員登録が必要です。)


私の訳書(共訳・監修)です。よろしかったらお読みください。画像クリックでamazonへ飛びます。







同じカテゴリー(knowledge base(基礎知識))の記事
 いきなり終了で申し訳ございませんが・・・・ (2014-03-05 07:00)
 コンクルージョン conclusion (2014-02-26 07:00)
 シールズ・チーム6 Seals team 6 2 (2013-08-07 07:00)
 アフガンに展開したODAについて ODA in Afghan (2013-02-27 07:00)
 J-DAM (2012-06-20 07:02)
 B-52 (2012-05-30 07:01)

Posted by 友清仁  at 07:01 │Comments(2)knowledge base(基礎知識)

この記事へのコメント
こんにちは。


私もミリタリーコーナーの品揃えには前々から少し不満を抱いていました。ミリタリーコーナーがある書店自体が少ないのに、さらにそのなかでもミリタリーコーナーは少なく、それも日本軍、しかも、太平洋戦争前期より前の日本軍全盛期時代が圧倒的です。

太平洋戦争での形勢が傾いたミッドウェー海戦以後の書籍はほとんど見たことがありません。現時代の兵器や武装、軍の資料の少なさには大いに不満ですね。


お身体に気をつけて本業もがんばってください。
Posted by ラビット at 2011年07月08日 18:26
ラビットさま
コメントありがとうございます。

現在のミリタリー書籍のファン層が年配の方々である限り、この傾向は変わることはないと思います。

しかし、これからのミリタリーファンは、ミリブロを見ているような、若く、エアガンや映画などから入った人たちです・・・っと、また話が長くなってしまうので、続きは次回の更新時にしたいと思います。

今後とも、よろしくお願いします。
Posted by 友清仁友清仁 at 2011年07月08日 23:15
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。