2011年07月13日

オーストラリア特殊空挺連隊 SASR

2001年12月某日、オーストラリア軍特殊部隊SASR(Special Air Service Regiment)の150名が、カンダハル付近に海兵隊が占領したリノ基地へ降り立った。その数日後、オーストラリア国防大臣、ロバート・ヒルは、オーストラリア特殊空挺連隊(SASR)がアフガニスタンで、スリッパー作戦を発動したことを公式に発表した。

SASRの任務は、アルカイダおよびタリバン残党の掃討、および長距離偵察を行い、その情報を連合軍に情報を提供するであった。オーストラリアSASRは、いずれの任務にも長けており、特に、アナコンダ作戦のときにはその活躍は目を見張るものがあった。

捜索範囲が広くなるにつれ、SASRの編成も大規模なものとなり、最大で、偵察部隊だけで、240名、これに司令部および支援部隊(輸送、医療、通信および兵站)が加わり、総数、500名規模の大所帯となった。

アナコンダ作戦では、SASRは、シャハ・エ・コット付近のマルザクおよびズーマットの戦闘に投入された。この戦闘は、ベトナム戦争以来、経験したことがないほどの激戦であった。

アナコンダ作戦初期のロバート・リッジの戦いでは、アメリカ軍のSealsおよびレンジャー達が山頂で死闘を繰り広げている一方で、SASRは、標高1万メートル、気温マイナス19度の山腹に陣取り、アルカイダの拠点を爆撃機に連絡し続けた。

10日間に渡る作戦で、SASRの適格な指示により、少なくとも300名以上のアルカイダを斃した。この戦闘終了後、SASRは山腹および偵察車両を使った平野での偵察活動を開始し、タリバンおよびアルカイダの武器保管施設の発見および破壊活動をおこなった。

1957年に創設されたオーストラリア特殊空挺連隊は、そのルーツを第2次世界大戦のMからZ中隊まで遡ることができる。

ベトナム戦争が始まると、アメリカ軍の補助的な部隊として再編成され、1971年に撤退するまでベトナムに派遣された。ベトナムでは、「ジャングルのゴースト」と呼ばれ、ベトコンから恐れられ、最強部隊であることを誰もが認めるようになった。その20年後、SASRはソマリアに派遣され、モガデシオの武装勢力と対峙していたアメリカ軍およびオーストラリア歩兵大隊を支援した。

1999年9月、SASRは、「安定化」作戦で東ティモールに公式に派遣された最初のオーストラリア部隊となった。2000年のシドニーオリンピックの際には、様々な対テロリズム任務に就けるように、装備や予算などを大幅に増強された。これにより陸海空および市街戦に対応できるようになった。

現在SASRは、オーストラリア特殊部隊の中核をなす部隊で、パースに司令部を置き、隊員はすべて志願兵である。選抜にあたり(志願者の10パーセントしか合格しない)、志願者は、数年間の現役勤務を経なければならない。特殊空挺連隊は、現役の飛行隊および予備役部隊だけでなくオーストラリア陸軍第4連隊も含んでいる。

現在のSASRは、90名からなる「サーベル」飛行隊、および医療、輸送、整備および専門家の派遣などを行う支援部隊で編成されている。これらの中隊は、連隊司令部の指揮下にある。


3個サーベル飛行中隊は、3年間のサイクルで現役勤務と訓練期間を行う。訓練期間中は、隊員は、初年に新しい技術の習得および改善に取り組む。2年目には、さらに専門的な特殊任務、偵察、破壊工作、情報収集、また陸海共同作戦に参加する。3年目には、国際的な対テロリズムチームとして、「臨戦飛行隊」として24時間体制で警戒し、訓練と実際の任務を平行して行う。

SASR内の各飛行隊は、航空任務(パラシュート降下、ヘリコプターによる侵入あるいは戦術航空着陸)、陸海共同作戦(小艦艇、潜水艦およびカヌーによる侵入、閉鎖循環式呼吸用保護具の使用方法)、および(6軸長距離偵察車両を使った)陸上での作戦などに特化している。

次回更新は、7月13日「ニュージーランド特殊部隊」です。お楽しみ。
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Posted by 友清仁  at 07:01 │Comments(0)knowledge base(基礎知識)

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