2012年01月04日

タリン・コットの戦い 2 battle of Tarin Kowt

新年、あけましておめでとうございます。これからも鋭意取り組んでまいりますので、本年もよろしくお願いします。

ここで、タリン・コットという都市について説明したい。
タリン・コットは、アフガニスタン南部にあるウルズガン州の州都である。人口は、約1万人で、町の中心部には200軒の店がある。

都市には、タリン族とドゥッラーニー族の2つの部族が共存している。部族間の抗争はない。気候は、完全な内陸砂漠気候で、冬は-10度、夏には40度にもなる。

タリン・コットは、アフガニスタンにどこにでもある都市なのだが、この都市の特殊性は、その位置である。
アフガニスタンには、ソ連軍が侵攻時に整備した国を一周する幹線道路が1本しかなく、(1本しかないので、国道○号線のような呼び方ができない。強いていえば、この幹線道路が国道1号線である)

 それ以外は、かつて川であったであろう川床を道の代わりに使っているに過ぎない。もちろん、これらの「道」は、舗装されておらず、大型の車両の通行はできない。従って、トラックなどを使って大量の物資を運べるのは、幹線道路沿いの都市だけで、それだけに、幹線道路が通っている都市は戦略的価値が非常に高い。

タリン・コットは、この幹線道路が通り、さらに首都カブールとアフガン第2の都市カンダハルの中間に位置している。また、舗装された道ではないが、太古より人々が使っている道が北部のマザリシャリフとも繋がっており、まさに交通の要衝とも言える。

さらに、都市の南側には、簡単な飛行場も作れるほどの平野もある。(2004年にオーストラリア軍が飛行場を建設した)
つまり、アメリカ軍、タリバンにとって、この都市を占領できるか否かで、今後の戦局が変わるといっても過言ではないのだ。


ジェイスン大尉は、カルザイの意見を、カブールの秘密基地に報告した。この報告に飛びついてきたのは、他ならぬ、マルホールランド大佐である。

「大尉、直ちに都市を占領しろ。占領が完了したら、すぐに私も行くぞ。将校団を連れてって、南部戦略司令部にするぞ」。マ大佐は、息を弾ませて言った。どうやら首都カブールの総司令部で暇を持て余しているらしい。

「大佐、まだ占領どころか、カルザイの情報も本物かどうかもわかりません。将校団の派遣は、当分先になります」。

この言葉に、マ大佐のテンションが少しだけ下がった感じがしたが、タリン・コット占領は、マルホールドランド大佐の暇つぶしのネタだけではなく、中央作戦軍の総意でもある。おそらく、最高司令官のフランクス大将がこの報告を聞いても、マ大佐と同じ反応をするだろう。

「とりあえず、我々とカルザイだけで、タリン・コットの状況を確認しに行こう」。ジェイスンは、同僚のペティソリー大尉に言った。


次回更新は、1月11日「タリン・コットの戦い」です。お楽しみに。
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Posted by 友清仁  at 09:15 │Comments(2)Story(物語)

この記事へのコメント
いつも楽しみに読ませて頂いています。
こちらでもどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
Posted by 8810 at 2012年01月04日 09:33
8810 さま

こちらこそ、よろしくお願いします。
Posted by 友清仁友清仁 at 2012年01月05日 12:09
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