2014年01月29日

コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 4

ジェロニモ ダウン・・。ジェロニモ ダウン・・」。
トロイ・ロバーツ軍曹は、無線でダンハム大尉に報告した。
「了解。直ちに鑑識兵と応援を3階へ上げる」。
あっさりとした、しかし、それがダンハム大尉の返信であった。

鑑識兵と応援が来るまでの間に、トロイとソルベスキーは、ビンラディンの妻と娘に簡易手錠をした。しかし、それ以上のことはせず、妻と娘がビンラディンの遺体に抱きつき、泣き叫けぶのを見ていた。

やがて鑑識兵が上がってくると、トロイは、母娘を遺体から引き離した。2人は、愛する者を失った悲しみが大きいのか、力なくトロイの抑制に従い、しかし何故か、夫と父を殺したトロイの両腕にすがって泣き続けていた。長い逃亡生活の中で、様々なことがあったのだろう。家族とは言え、ビンラディンの脅迫の下にいたのかもしれない。

鑑識兵は、ビンラディンが心肺停止で死亡状態であること、また、顔認証システムを遺体の顔面にかざして、間違いなくビンラディンであることを確認し、ダンハム大尉へ報告した。

ビンラディンの遺体が遺体袋に入れられて運びさられると、応援のシールズがやったことは、ほとんど泥棒と同じであった。

机の上のパソコンを回収した。接続されているケーブル類はブツブツとサバイバルナイフで切られた。引き出しの中の書類も持ち去る。鍵がかかっている引き出しは、バールでこじ開けた。

別のシールズも活動していた。生存者と遺体を庭に運び出した。生存者は、子供であっても簡易手錠をし、一箇所にまとめて座らせた。遺体も一列に並べ、上から布をかけて、死者の尊厳を守った。墜落したブラックホークにも爆薬が仕掛けられ、爆破された。

「状況を報告せよ」。ダンハム大尉は、屋敷の外で警戒している兵士に言った。
「警察や軍隊は動いていないようですが、あたりに野次馬が増えてきました。そろそろ限界かもしれません」。
たしかに、塀の外が騒がしくなっていた。ダンハムが時計を見ると、突入から25分が経過していた。

それから1分後、すべての活動部隊から作業が終了した旨の連絡がダンハムに入った。
「撤退する。総員、着地地点へ集合せよ」。
ダンハム大尉の命令とともに、すべてのメンバーが集合し、チヌークも降下してきた。1機は中庭に、もう1機は、道路に着陸し、襲撃部隊を収容し、直ぐに飛び立った。

「ジェロニモを射殺。ネプチューン・スピアー作戦は成功。部隊は帰投する」。
襲撃部隊の隊長、ダンハム大尉は短く報告した。爆破したブラックホークの炎がだんだん小さくなってゆく。ダンハムが時計を見ると、突入から28分が経過していた。


次回更新は、ちょっと本業が忙しくなってきましたので、2週間ほどお休みをいただきます。
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Posted by 友清仁  at 07:00 │Comments(0)Story(物語)

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