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Posted by ミリタリーブログ  at 

2010年08月11日

Central Intelligence Agency

時計の針を、9.11テロ以前に戻し、しばらくCIAの視点からアフガン戦を詳述する。

2001年が始まると、CIA秘密作戦部長ジョージ・J・テネットは、CIA特殊作戦グループ(CIA Special Operation Group)へ異動させる候補者200名の選抜に取り掛かった。80年代、中東地域へ派遣されるCIA工作員の数は、多くても30名程度であったのだが、90年代後半からアルカイダの活動が活発になり、テロリストの監視強化を目的として、10倍近く増員することとなった。

2001年9月、予定人員の約半数の100名が任務に耐えうるとみなされ、工作員達は、ジョージア州になるCIA訓練ファームへ移された。この訓練ファームで、工作員達は、現地の言語や風習、さらに作戦に必要な機材の扱い方などを学ぶ。

通常は、1年近くかけて訓練が行なわれるのだが、中東情勢が緊迫しているため、3ヶ月に短縮して行なうことになった。しかし運命とは皮肉なものである。工作員が訓練を開始したのが9月11日で、まさにその日に9.11テロが発生したのである。

テロが発生するとすぐに、ラムズフェルド国務長官は、48時時間以内にアフガニスタン攻撃作戦を策定し、提出するように国防総省に指示した。国防総省は、中東地域を管轄する中央作戦軍(CENTCOM)に命令し、攻撃作戦を作成させた。

48時間後、中央作戦軍司令フランクス大将と参謀達が攻撃作戦を携え、ホワイトハウスに到着し、ラムズフェルド国務長官に作戦を説明した。

フランクス大将が説明した中央作戦軍の計画では、タリバン軍4万に対応する部隊をアフガンに派遣し、作戦を開始するまでに最低1ヶ月かかるとのことであった。しかしこの作戦計画は、数日でアフガンに派兵し、戦端を開くべきと考えるラムズフェルドを満足させるものではなかった。

フランクス大将が帰ると、ラムズフェルドは、すぐにテレットCIA長官に電話し、「中央作戦軍は、派兵に1ヶ月かかるといっているが、CIAはどうだ?」と尋ねた。

テレットは、「CIAは、数日の内にタリバン施設を攻撃できます」。と答えた。ラムズフェルドは即座に、「CIAの計画を私と大統領に説明してくれ。1時間以内に、ホワイトハウスに来てくれたまえ」。そう言うと、電話を切った。

次回更新は、8月18日「CIA特殊作戦グループ」です。お楽しみに。
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写真は、イメージです。

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Posted by 友清仁  at 07:01Comments(2)Story(物語)