2012年12月12日
死に値すべきもの The worth dying for 9
RPG7の弾頭が黄色い炎を上げながら、ロニーの隠れる建物へ飛んでゆく。1秒後、建物に命中して、大きな火柱が上がる。その火柱を見て、馬賊どもは、訳のわからない雄叫びをあげている。
「ロニー、ロニー、応えろ!応答してくれ!」
アレックスは、何度も無線のPTTを押して、火柱の向こうにいるであろうロニーに呼びかけた。となりのアシモフ大佐もその様子と火災の起こった建物をかわるがわる見ていた。数分が過ぎたが、依然としてロニーからの応答はない。
馬賊どもも、RPGでスナイパーを殺したと思ったのだろう。再びAK47を撃ち始めた。
「アメリカ人よ。奴は死んだ。あきらめろ。今は、奴の仇を討て」。アシモフは、SR25をかまえ直して言い、そして撃った。
アレックスも軍人である。自らの戦死はもとより、仲間を失うことも十分に承知していた。アシモフの言うとおりである。再び銃を構え、ロニーを撃った、RPG射手を探した。
スコープの中に、弾頭のなくなったRPGの筒を持って、自慢げに、火災の方向を指差している兵士が見えた。スナイパーを殺したと思っているのか、無防備に、仲間とはしゃいでいるのが見えた。
「ぶっ殺してやる」。アレックスはつぶやき、トリガーを絞った。
スコープの中の敵は、胸を撃ち抜かれ、その場に膝をついて倒れた。それを見た周りの馬賊どもは、未だにスナイパーがいることに気づき、蜘蛛の子を散らすように、再び岩陰に隠れた。
アシモフも何人か倒したようだ。馬賊もスナイパーを恐れて再び動かなくなった。しかし、こちらもロニーの囮射撃がなくなったため、戦場は膠着した。
「馬賊の割にはシツコイ奴らだ」。アシモフがつぶやく。よほど、タリン・コットの街が魅力的なのか・・。再び沈黙の闇が、辺りを支配する。
「・・・・・こちら、ロニー、応答が遅れてすまない・・・。アレックス、こっちは無事だ。ケガもしていない・・・・」。アレックスのヘッドセットに、囮のロニーから応答があった。
アレックスは、すぐに返信する。
「馬鹿野郎、心配させやがって。無事なら、なんですぐに応答しないんだ」。
ロニーは、「すまない」、と一言だけ返し、RPGは、となりの部屋に命中したのだが、あまりの衝撃のため、平衡感覚というか、意識が飛んでいたらしい。RPGという兵器のすごさを実感したような口ぶりであった。
再び、囮作戦を開始することにした。また、RPGを喰らってはたまらないので、ロニーは、大きく移動することにした。ロニーが1発撃つと、馬賊どもは、再び咆吼した。
その咆哮を目指して、アシモフとアレックスは再び狙撃を開始しようとしたとき、斜め後ろから、ヒュン、ヒュンという鈍い音が聞こえた。2人が音の方向を見上げると、暗闇の中で、はっきりとは見えないが、2軸のヘリコプターらしき輪郭が認められた。待ちに待った救助ヘリがやってきた。
「こちらODA570所属のCH46。タリン・コット上空に到達した。応答願う」。パイロットのグレック大尉は、発信した。無線を切ると同時に、激しい銃声と火花が下方で散っているのが見えた。
グレック大尉の通信に、まっさきに答えたのは、CCTのアレックスであった。
「こちらODA574所属CCT、アレックス軍曹。救援感謝する。到着早々申し訳ないが、敵の掃討を要請する。敵座標は・・・」。と、言いかけたアレックスに対し、
「座標は無用。目視できる。これより機銃掃射を開始する。地上部隊は安全な場所へ退避せよ」。グレック大尉は、即答した。
「CH46α機長から全ガナーへ。地上のイモムシどもをすり潰せ!」。グレックが命令するやいなや、2機のCH46の4挺のM240が火を噴いた。
次回更新は、12月19日「死に値すべきもの」です。
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「ロニー、ロニー、応えろ!応答してくれ!」
アレックスは、何度も無線のPTTを押して、火柱の向こうにいるであろうロニーに呼びかけた。となりのアシモフ大佐もその様子と火災の起こった建物をかわるがわる見ていた。数分が過ぎたが、依然としてロニーからの応答はない。
馬賊どもも、RPGでスナイパーを殺したと思ったのだろう。再びAK47を撃ち始めた。
「アメリカ人よ。奴は死んだ。あきらめろ。今は、奴の仇を討て」。アシモフは、SR25をかまえ直して言い、そして撃った。
アレックスも軍人である。自らの戦死はもとより、仲間を失うことも十分に承知していた。アシモフの言うとおりである。再び銃を構え、ロニーを撃った、RPG射手を探した。
スコープの中に、弾頭のなくなったRPGの筒を持って、自慢げに、火災の方向を指差している兵士が見えた。スナイパーを殺したと思っているのか、無防備に、仲間とはしゃいでいるのが見えた。
「ぶっ殺してやる」。アレックスはつぶやき、トリガーを絞った。
スコープの中の敵は、胸を撃ち抜かれ、その場に膝をついて倒れた。それを見た周りの馬賊どもは、未だにスナイパーがいることに気づき、蜘蛛の子を散らすように、再び岩陰に隠れた。
アシモフも何人か倒したようだ。馬賊もスナイパーを恐れて再び動かなくなった。しかし、こちらもロニーの囮射撃がなくなったため、戦場は膠着した。
「馬賊の割にはシツコイ奴らだ」。アシモフがつぶやく。よほど、タリン・コットの街が魅力的なのか・・。再び沈黙の闇が、辺りを支配する。
「・・・・・こちら、ロニー、応答が遅れてすまない・・・。アレックス、こっちは無事だ。ケガもしていない・・・・」。アレックスのヘッドセットに、囮のロニーから応答があった。
アレックスは、すぐに返信する。
「馬鹿野郎、心配させやがって。無事なら、なんですぐに応答しないんだ」。
ロニーは、「すまない」、と一言だけ返し、RPGは、となりの部屋に命中したのだが、あまりの衝撃のため、平衡感覚というか、意識が飛んでいたらしい。RPGという兵器のすごさを実感したような口ぶりであった。
再び、囮作戦を開始することにした。また、RPGを喰らってはたまらないので、ロニーは、大きく移動することにした。ロニーが1発撃つと、馬賊どもは、再び咆吼した。
その咆哮を目指して、アシモフとアレックスは再び狙撃を開始しようとしたとき、斜め後ろから、ヒュン、ヒュンという鈍い音が聞こえた。2人が音の方向を見上げると、暗闇の中で、はっきりとは見えないが、2軸のヘリコプターらしき輪郭が認められた。待ちに待った救助ヘリがやってきた。
「こちらODA570所属のCH46。タリン・コット上空に到達した。応答願う」。パイロットのグレック大尉は、発信した。無線を切ると同時に、激しい銃声と火花が下方で散っているのが見えた。
グレック大尉の通信に、まっさきに答えたのは、CCTのアレックスであった。
「こちらODA574所属CCT、アレックス軍曹。救援感謝する。到着早々申し訳ないが、敵の掃討を要請する。敵座標は・・・」。と、言いかけたアレックスに対し、
「座標は無用。目視できる。これより機銃掃射を開始する。地上部隊は安全な場所へ退避せよ」。グレック大尉は、即答した。
「CH46α機長から全ガナーへ。地上のイモムシどもをすり潰せ!」。グレックが命令するやいなや、2機のCH46の4挺のM240が火を噴いた。
次回更新は、12月19日「死に値すべきもの」です。
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