2010年12月15日
タクール・ハーの戦い5 Takur Ghar 5
レーザー01にRPGが命中する、少し前の機内である。
レーザー01機内のレンジャー隊長、セルフ大尉は、Sealsのニール・ロバーツ軍曹を探していた。しかし、ニールはすでにアルカイダの銃弾に斃れており、セルフ大尉をはじめとするレーザー02の全員が懸命に探しても、見つかるわけがなかった。
チヌークのクルー、チャック、グレッグおよびドンは、どうしたものかと互いに顔を見合わせたが、答えを見出すことができなかった。ガルディーズの司令部に無線で確認しようとしたが、無線は通じなかった。
「ニール軍曹は、ヘリから落ちたのではなく、墜落したヘリにいるのではないか?ヘリの墜落とニールの落下の情報が混乱しているのかもしれない・・・」。機内のヘリクルー3名は思った。副操縦士のグレッグも山頂を映すレーダーと地表面を見比べるのをやめてしまった。
とりあえずヘリのレンジャー達を降ろし、付近を捜索することにした。
どこに着陸すべきか、パイロット同士で短く話し合った後、副パイロットのグレッグは、山頂から75メーターの地点がよさそうだと指差した。
ヘリの左側のガンナーである、デイヴ軍曹は、右側のガンナー、フィル・スビタク軍曹に親指を立てて、着陸態勢に入り、周囲を警戒するように合図した。セルフ大尉は、ヘリの格納区画で待機しているレンジャーたちに、「降下準備、装備確認」。と怒鳴った。
ヘリ後部で座っていたガンナー、アンダーソン軍曹は、そばで待機している弾薬転送係のディビット・ギリアム上等兵の背中を叩いて耳元で叫んだ。「ようやく実戦だ。これでお前も一人前のレンジャーだ。」
雪で真っ白い地表が、どんどん近づいてきた。
あと、5メートルほどで着地というときに、セルフ大尉は、眼下の2時方向60メーターの地点に、3人のアルカイダ兵がヘリを狙っているのを認めた。「2時方向に敵発見!」とセルフ大尉は、叫ぶと同時に手中のM4を撃った。
アルカイダは、一斉に塹壕から飛び出し、チヌークに向けて発砲した。銃撃は主にヘリのコックピットに集中した。パイロットのチャックの右側のマルチディスプレイに銃弾が命中し、一瞬にして機能を失った。さらに2発の銃弾が彼のボディアーマに鈍い音を立ててめり込んだ。チャックは、激痛に耐えながら、「2時方向に敵多数」と無線に叫んだ。
ヘリ右舷のガンナー、スビタク軍曹は、地表から沸いて出てくるアルカイダを見て、背後で待機していたメディックのドグに向かって、「ドグ、お前は、後ろに下がっていろ」と怒鳴った。叫ぶや否や、M134ミニガンをアルカイダに向けて発砲した。至近距離であるせいか、銃弾は次々とアルカイダに命中し、テロリストは、ドミノ倒しのようにバラバラと倒れた。
しかし次の瞬間、スビタクは、腹部に焼きゴテを押し付けられるような高熱を感じた。ミニガンを撃ちながらも、ゆっくりと腹部を見ると、真っ赤な血がBDUを染めていた。メディックのドグを呼ぼうと叫んだが、声にならず、スビタクはその場に崩れた。
ミニガンの銃声が止まったことに気がついたセルフ大尉は、すぐに、「銃座に着け!」と怒鳴った。他のレンジャー隊員がすぐにミニガンにとりつき、射撃を続けた。
このときすでに、チヌークは、80フィートの高さまで降下していたため、アルカイダ兵は、塹壕の近くの木によじ登って、RPGをヘリに向けて発砲した。ロケット弾は、ヘリのエンジンに命中し、大爆発を起こした。
次回更新は、12月22日 「タクール・ハーの戦い6」です。お楽しみに。
本ブログの内容の無断転載を禁じます。ご意見・ご質問をお待ちしています。
写真は、イメージです。
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レーザー01機内のレンジャー隊長、セルフ大尉は、Sealsのニール・ロバーツ軍曹を探していた。しかし、ニールはすでにアルカイダの銃弾に斃れており、セルフ大尉をはじめとするレーザー02の全員が懸命に探しても、見つかるわけがなかった。
チヌークのクルー、チャック、グレッグおよびドンは、どうしたものかと互いに顔を見合わせたが、答えを見出すことができなかった。ガルディーズの司令部に無線で確認しようとしたが、無線は通じなかった。
「ニール軍曹は、ヘリから落ちたのではなく、墜落したヘリにいるのではないか?ヘリの墜落とニールの落下の情報が混乱しているのかもしれない・・・」。機内のヘリクルー3名は思った。副操縦士のグレッグも山頂を映すレーダーと地表面を見比べるのをやめてしまった。
とりあえずヘリのレンジャー達を降ろし、付近を捜索することにした。
どこに着陸すべきか、パイロット同士で短く話し合った後、副パイロットのグレッグは、山頂から75メーターの地点がよさそうだと指差した。
ヘリの左側のガンナーである、デイヴ軍曹は、右側のガンナー、フィル・スビタク軍曹に親指を立てて、着陸態勢に入り、周囲を警戒するように合図した。セルフ大尉は、ヘリの格納区画で待機しているレンジャーたちに、「降下準備、装備確認」。と怒鳴った。
ヘリ後部で座っていたガンナー、アンダーソン軍曹は、そばで待機している弾薬転送係のディビット・ギリアム上等兵の背中を叩いて耳元で叫んだ。「ようやく実戦だ。これでお前も一人前のレンジャーだ。」
雪で真っ白い地表が、どんどん近づいてきた。
あと、5メートルほどで着地というときに、セルフ大尉は、眼下の2時方向60メーターの地点に、3人のアルカイダ兵がヘリを狙っているのを認めた。「2時方向に敵発見!」とセルフ大尉は、叫ぶと同時に手中のM4を撃った。
アルカイダは、一斉に塹壕から飛び出し、チヌークに向けて発砲した。銃撃は主にヘリのコックピットに集中した。パイロットのチャックの右側のマルチディスプレイに銃弾が命中し、一瞬にして機能を失った。さらに2発の銃弾が彼のボディアーマに鈍い音を立ててめり込んだ。チャックは、激痛に耐えながら、「2時方向に敵多数」と無線に叫んだ。
ヘリ右舷のガンナー、スビタク軍曹は、地表から沸いて出てくるアルカイダを見て、背後で待機していたメディックのドグに向かって、「ドグ、お前は、後ろに下がっていろ」と怒鳴った。叫ぶや否や、M134ミニガンをアルカイダに向けて発砲した。至近距離であるせいか、銃弾は次々とアルカイダに命中し、テロリストは、ドミノ倒しのようにバラバラと倒れた。
しかし次の瞬間、スビタクは、腹部に焼きゴテを押し付けられるような高熱を感じた。ミニガンを撃ちながらも、ゆっくりと腹部を見ると、真っ赤な血がBDUを染めていた。メディックのドグを呼ぼうと叫んだが、声にならず、スビタクはその場に崩れた。
ミニガンの銃声が止まったことに気がついたセルフ大尉は、すぐに、「銃座に着け!」と怒鳴った。他のレンジャー隊員がすぐにミニガンにとりつき、射撃を続けた。
このときすでに、チヌークは、80フィートの高さまで降下していたため、アルカイダ兵は、塹壕の近くの木によじ登って、RPGをヘリに向けて発砲した。ロケット弾は、ヘリのエンジンに命中し、大爆発を起こした。
次回更新は、12月22日 「タクール・ハーの戦い6」です。お楽しみに。
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作戦終了 Over the Operation
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