2012年09月05日
セクショナリズム3 Sectionalism 3
ODB570指揮官、ケアンズ少佐は、リノ基地司令部の管制塔を出ると、すぐに駆け足でODB570司令部のあるテントへ走った。滑走路の端には、ヘリが数機停っているのが見える。
リノ基地からタリン・コットまで、わずか80キロほどである。おそらく、離陸準備やブリーフィングなどの時間を入れても、1時間以内に現地に到着するだろう。「くそっ」、ケアンズはつぶやいたが、命令には従わなければならない。
テントに到着すると、無線係のデビット・リー曹長に、ODA574の緊急電をカブールへ転送するように命じた。
この緊急無電に驚いたのが、ODA574の指揮官である、クリス・ミラー少佐である。ほんの数時間前、確かにODA574からSOS無電を受けたが、それは無線機の操作ミスであり、タリン・コットは平穏無事であることが確認された。
しかし今度は、空爆を受けて負傷者多数であるという。しかもその無線がODA574ではなく、リノ基地のODB570から発信されてきた・・・。だいたい、空爆とはどうゆうことだ?タリバンが航空兵力を持っているのか?クリスの頭の中には?マークだらけになった。
ともかく、事実を確認せねばなるまい。通信兵に命じ、ODA574と直接連絡を取ることにした。数分後、通信兵から、タリン・コットと通信ができないと報告を受けた。クリスの頭の中は再び?マークでいっぱいになったが、異常事態が発生していることだけは理解できた。
(おそらく、通信兵は、タリン・コットに配備された最新の無線機である「ヴァイパー」に通信したのだろう。しかしヴァイパーは、空爆により破壊されており、通信が開通しないのも当然である)
やむおえず、クリス少佐は、再びODB570へ通信し、詳細を尋ねることにした。しかし、聞かれたODB570も、偶然、無電を受け取っただけで、詳細などわかるわけもない。ODB570も再びタリン・コットへ尋ねた。
タリン・コットのPRC-148のスピーカーが鳴った。ジェイスン大尉は、すぐに無線に出た。ついに救助ヘリがやってくるのか。しかし、無線の内容は、ジェイスンを失望させるものだった。
「こちらODB570。貴官の要請をカブールへ転送した。しかしカブールから再度、現地の様子について詳細が欲しいとのことである。そちらから、カブールへ直接、通信できないか?」
ジェイスンは、無線を叩きつけたいほどの衝動を覚えたが、この無線機まで破壊してしまったら、通信手段が全くなくなってしまう。大きく息を吸って答えた。
「こちらは、空爆によりメインの広域無線が破壊され、カブールへは直接通信できない。本隊は、空爆を受け、負傷者多数。至急、救助ヘリを求む」。
この通信が、再びカブールへ転送された。まさに伝言ゲームである。ジェイスン大尉の発言が、カブールの総司令部に伝えられ、緊急参謀会議が開かれた。先のタリバン軍の攻撃以来、タリン・コットに関しては、ODA574だけの問題ではなく、カブール総司令部で対応することになっていた。
カブールの司令部では、救助ヘリ派遣よりも、無線が破壊されたことよりも、「空爆」の一言にとらわれていた。全滅寸前のタリバン軍は、未だに航空兵力を持っているのか?それとも、強大な野砲部隊でも潜んでいるのか?場合によっては、今後の作戦に大幅な変更が必要かもしれない。
結局、緊急参謀会議の結論は、タリン・コット周辺の兵力や情勢を調査し、1時間後に再度、会議を開く、ということになった。
次回更新は、9月19日「セクショナリズム」です。(いわゆる夏バテで、体力がありません・・謝)
ご意見・ご感想をお待ちしております。
------------------------------------------------------------------------------------------
同人誌も発行しております。こちらもどうぞ。同人誌書店COMIC ZIN通販ページと 虎の穴通販ページに飛びます。(購入には会員登録が必要です。)





私の訳書(共訳・監修)です。よろしかったらお読みください。
画像クリックでamazonへ飛びます。





リノ基地からタリン・コットまで、わずか80キロほどである。おそらく、離陸準備やブリーフィングなどの時間を入れても、1時間以内に現地に到着するだろう。「くそっ」、ケアンズはつぶやいたが、命令には従わなければならない。
テントに到着すると、無線係のデビット・リー曹長に、ODA574の緊急電をカブールへ転送するように命じた。
この緊急無電に驚いたのが、ODA574の指揮官である、クリス・ミラー少佐である。ほんの数時間前、確かにODA574からSOS無電を受けたが、それは無線機の操作ミスであり、タリン・コットは平穏無事であることが確認された。
しかし今度は、空爆を受けて負傷者多数であるという。しかもその無線がODA574ではなく、リノ基地のODB570から発信されてきた・・・。だいたい、空爆とはどうゆうことだ?タリバンが航空兵力を持っているのか?クリスの頭の中には?マークだらけになった。
ともかく、事実を確認せねばなるまい。通信兵に命じ、ODA574と直接連絡を取ることにした。数分後、通信兵から、タリン・コットと通信ができないと報告を受けた。クリスの頭の中は再び?マークでいっぱいになったが、異常事態が発生していることだけは理解できた。
(おそらく、通信兵は、タリン・コットに配備された最新の無線機である「ヴァイパー」に通信したのだろう。しかしヴァイパーは、空爆により破壊されており、通信が開通しないのも当然である)
やむおえず、クリス少佐は、再びODB570へ通信し、詳細を尋ねることにした。しかし、聞かれたODB570も、偶然、無電を受け取っただけで、詳細などわかるわけもない。ODB570も再びタリン・コットへ尋ねた。
タリン・コットのPRC-148のスピーカーが鳴った。ジェイスン大尉は、すぐに無線に出た。ついに救助ヘリがやってくるのか。しかし、無線の内容は、ジェイスンを失望させるものだった。
「こちらODB570。貴官の要請をカブールへ転送した。しかしカブールから再度、現地の様子について詳細が欲しいとのことである。そちらから、カブールへ直接、通信できないか?」
ジェイスンは、無線を叩きつけたいほどの衝動を覚えたが、この無線機まで破壊してしまったら、通信手段が全くなくなってしまう。大きく息を吸って答えた。
「こちらは、空爆によりメインの広域無線が破壊され、カブールへは直接通信できない。本隊は、空爆を受け、負傷者多数。至急、救助ヘリを求む」。
この通信が、再びカブールへ転送された。まさに伝言ゲームである。ジェイスン大尉の発言が、カブールの総司令部に伝えられ、緊急参謀会議が開かれた。先のタリバン軍の攻撃以来、タリン・コットに関しては、ODA574だけの問題ではなく、カブール総司令部で対応することになっていた。
カブールの司令部では、救助ヘリ派遣よりも、無線が破壊されたことよりも、「空爆」の一言にとらわれていた。全滅寸前のタリバン軍は、未だに航空兵力を持っているのか?それとも、強大な野砲部隊でも潜んでいるのか?場合によっては、今後の作戦に大幅な変更が必要かもしれない。
結局、緊急参謀会議の結論は、タリン・コット周辺の兵力や情勢を調査し、1時間後に再度、会議を開く、ということになった。
次回更新は、9月19日「セクショナリズム」です。(いわゆる夏バテで、体力がありません・・謝)
ご意見・ご感想をお待ちしております。
------------------------------------------------------------------------------------------
同人誌も発行しております。こちらもどうぞ。同人誌書店COMIC ZIN通販ページと 虎の穴通販ページに飛びます。(購入には会員登録が必要です。)
私の訳書(共訳・監修)です。よろしかったらお読みください。
画像クリックでamazonへ飛びます。






作戦終了 Over the Operation
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 4
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 3
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 2
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO
ネプチューン・スピアー Neptune spear 7
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 4
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 3
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 2
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO
ネプチューン・スピアー Neptune spear 7
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。