2013年10月16日

キャンプ・アルファ Camp α 6

模型を覆っていた布を、几帳面に畳みながら、ダンハム大尉は、「これが今回の作戦を行う場所らしい。しかし詳細は分からん。おそらく人質救出だろう」。
その場にいたシールズ全員が同じことを考えた。

「だが・・、今回はタダの人質救出任務じゃねぇな」。
ソルベスキー軍曹が、二の句を告げるように言った。これもその場にいた全員が思ったことである。理由は、その建物の構造である。一目見ただけで、無知なテロリストが、とっさに逃げ込んだ建物ではなく、周到に作りこまれた要塞であることが、シールズたちには分かった。

ダンハム大尉は、パチンと指を鳴らして、「では、こいつをどう攻める?」、急遽、作戦会議が開かれた。
「敵は、何名くらいなのですか?」、「母屋の構造は?」、「襲撃の時間は?」、と立て続けに質問が出た。しかし、それら全てに、「正確なことは全く分かん」。としか、ダンハムは答えることができなかった。

さまざまな意見や質問が出尽くしたあとで、今回派遣されたチームの中で最年長で、ベテランのソルベスキー軍曹が作戦案をまとめた。
「敵の数は、建物や敷地の広さから考えて、30から50名くらいだろう。襲撃時刻は、当然、深夜だ」。

ソルベスキー軍曹の立てた作戦を要約すると、以下のようになる。
1.襲撃部隊は、アルファとベータの2つに分け、アルファが10名、ベータが11名、残り15名を予備兵力とする。アルファにはスナイパー2名を含む。
2.アルファが、母屋の屋上にファストロープで降りる。アルファのスナイパーが、屋上から、建物周辺の敵を狙撃し、周囲の安全を確保する。
3.ベータは、建物の周囲に降下し、15名を見張りに周囲に配置する。残りの兵力は、入口の門に集合する。
4.屋上のアルファとタイミングを図って、ベータは門を爆破する。門の爆破と同時に、アルファの突入部隊8名が、3階に侵入する。
5.爆破音に驚いた敵は、門に集中するため、屋上のスナイパーが逐次排除する。爆破と同時にアルファは、一気に回廊を抜け、三角形の頂点のトラップまで進む。その間、アルファが建物をクリアリングしているので、建物からの攻撃は少ない。
6.アルファ襲撃部隊が1階のクリアリングを終えたのを見計らい、ベータが母屋の敷地へ突入し、残敵を掃討する。同士打ちを避けるため、アルファは、建物から出ない。
7.人質を救出したのち、襲撃チームは、東側の畑に集合し、ヘリで撤退する。

さすが、古参兵士であった。作戦に一分のムダもなかった。その場にいた誰もが納得した。
だが、ソルベスキーと仲の良いトロイ軍曹は、「屋上に見張り台や対空陣地があった場合はどうする?」と意地悪く聞いてみた。
「その時は、そいつをぶっ潰してから、作戦を始めるだけだ」。ソルベスキーは、答えた。

それからしばらく、細かい意見や質問が出たが、ダンハム大尉は、会議を締めくくった。
「オーケー。近日中に、キルハウスが出来るそうだ。まずは、ソルベスキー軍曹のアイディアを試してみよう」。
この言葉に、その場の全員がどよめいた。皆、やっとこの監獄から抜け出せると思ったのである。


次回更新は、10月23日「キャンプアルファ」です。
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Posted by 友清仁  at 07:00 │Comments(1)Story(物語)

この記事へのコメント
何度もコメントすみません。「回廊を一気に走り抜け」るのはデルタチームではないでしょうか?…と思いました。

しかし何というか、要は「砲火は少ないと思うから走って突っ切れ」ということですよね?それでも普通の兵士よりは足も早いし軍事的な反射神経は凄まじいんでしょうが、世界最強の特殊部隊とはいえ最後はナマミのフィジカルが資本なんだなあと思いました。死傷者なく作戦終わることを祈ってドキドキしてます^_^;
Posted by オカマエタイ at 2013年11月05日 09:43
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