2013年10月23日
キャンプ・アルファ Camp α 7
作戦会議の翌日には、チームの編成が決まった。アルファチームの隊長は、ベテランのソルベスキー軍曹であり、トロイ・ロバーツ軍曹も同じチームになった。ベータチームは、ダンハム大尉が率いる。編成が決まった2日後には、キルハウスが完成したとのことで、チーム全員がヘリでキルハウスまで移動した。
キルハウスの見学は、夜間に行われた。理由は簡単で、コンテナ城塞から出るには、ヘリコプターで上空から出るしか手段がなく、昼間は、秘密基地の隠匿性を確保するため、ヘリの離着陸が禁止されているのだ。もっとも、突入作戦も夜間に行うのだから、シールズからすれば、こちらのほうが、都合が良かった。
初回は、フル装備ではあるが、突入訓練など行わずに、チーム全員が建物を回り、建物の状況を確認した。
「でかい建物だ。アルカイダの本拠地でも攻撃するつもりか?」 ソルベスキー軍曹が、いつものようにぶっきらぼうに言った。
その言葉に、その場にいた数名が、今回の任務は、もしやビンラディン襲撃か?と、一瞬、考えた。しかし、作戦について憶測してはいけないという、特殊部隊の不文律を守り、誰ひとりとして、その後の会話を続けなかった。
トロイ・ロバート軍曹は、侵入する母屋の内部にいた。いくつか部屋が作られてはいるが、内部の構造がわからないため、アフガニスタンの一般的な家屋の作りだという。つまり、実際とは異なるわけで、あくまでも参考程度にしかならない。
トロイは、ナイトビジョンを通して、建物を廻った。ドアを開けるたび、階段を下りるたび、自分がどのように動くべきかシミュレートし、頭の中に刻み込んだ。しかし、参考程度にしかならないのだ。ストレスが溜まった。
やがて、集合の無線が入り、各人はヘリに集合し、帰還した。
突入訓練は、翌日の夜から始まった。訓練は、キャンプ・アルファからヘリで飛び立つところから始められたため、突然、訓練の号令がかかり、各人、急いで装備をつけて、ヘリに乗り込む有様だった。
ヘリが離陸してから、2時間ほど経過した。昨夜は、キルハウスまで、わずか30分だった。機内の誰もがおかしいと思い始めたころ、ダンハム大尉は、「目的地までの飛行時間まで、実戦と同じなのだそうだ」、とメンバーに告げた。
それから数分後、ブラックホークのパイロットが、「降下スタンバイ」と告げた。機内の各人は、すぐにファストロープの安全具を確認した。機内に照明はないが、メンバーは、手の感覚で安全装置が正常であることを確認できる。後部のメンバーから前部のメンバーへ、チェックが済んだことを、肩をたたいて知らせてゆく。
「オール・クリーン!!」 ソルベスキー軍曹が、最終確認のサインを見た直後、パイロットに向かって叫んだ。そして、さらに数メートル降下し、機体が水平になると、「GO!GO!」とパイロットが叫んだ。その声と同時に、ヘリからロープが投げ放たれ、メンバーが次々とロープを伝い、闇に消えていった。
トロイの順番が来た。下を見ると、漆黒の闇で、着地地点が屋上なのか地面なのか、何メートルあるのかすら分からない。しかし、ファストロープの訓練は、今まで数え切れないほどやってきた。いまさら恐怖など感じない。無意識に体が動き、ロープを伝ってするすると降りた。
トロイが降りて数秒後、チームリーダーのソルベスキーも降りてきた。全員が降下すると、ブラックホークは、すぐに上昇し、闇に消えた。アルファチーム10名が屋上に降りるまで、わずか30秒であった。
ナイトビジョンのスイッチを入れると、ライムグリーンの中に、メンバーの姿が映った。眼下を見下ろすと、ベータチームが門に向けて走っているのが見えた。ついに突入訓練が開始された。
次回更新は、10月30日「キャンプアルファ」です。
ご意見・ご感想をお待ちしております。
------------------------------------------------------------------------------------------
同人誌も発行しております。こちらもどうぞ。同人誌書店COMIC ZIN通販ページと 虎の穴通販ページに飛びます。(購入には会員登録が必要です。)





私の訳書(共訳・監修)です。よろしかったらお読みください。
画像クリックでamazonへ飛びます。





キルハウスの見学は、夜間に行われた。理由は簡単で、コンテナ城塞から出るには、ヘリコプターで上空から出るしか手段がなく、昼間は、秘密基地の隠匿性を確保するため、ヘリの離着陸が禁止されているのだ。もっとも、突入作戦も夜間に行うのだから、シールズからすれば、こちらのほうが、都合が良かった。
初回は、フル装備ではあるが、突入訓練など行わずに、チーム全員が建物を回り、建物の状況を確認した。
「でかい建物だ。アルカイダの本拠地でも攻撃するつもりか?」 ソルベスキー軍曹が、いつものようにぶっきらぼうに言った。
その言葉に、その場にいた数名が、今回の任務は、もしやビンラディン襲撃か?と、一瞬、考えた。しかし、作戦について憶測してはいけないという、特殊部隊の不文律を守り、誰ひとりとして、その後の会話を続けなかった。
トロイ・ロバート軍曹は、侵入する母屋の内部にいた。いくつか部屋が作られてはいるが、内部の構造がわからないため、アフガニスタンの一般的な家屋の作りだという。つまり、実際とは異なるわけで、あくまでも参考程度にしかならない。
トロイは、ナイトビジョンを通して、建物を廻った。ドアを開けるたび、階段を下りるたび、自分がどのように動くべきかシミュレートし、頭の中に刻み込んだ。しかし、参考程度にしかならないのだ。ストレスが溜まった。
やがて、集合の無線が入り、各人はヘリに集合し、帰還した。
突入訓練は、翌日の夜から始まった。訓練は、キャンプ・アルファからヘリで飛び立つところから始められたため、突然、訓練の号令がかかり、各人、急いで装備をつけて、ヘリに乗り込む有様だった。
ヘリが離陸してから、2時間ほど経過した。昨夜は、キルハウスまで、わずか30分だった。機内の誰もがおかしいと思い始めたころ、ダンハム大尉は、「目的地までの飛行時間まで、実戦と同じなのだそうだ」、とメンバーに告げた。
それから数分後、ブラックホークのパイロットが、「降下スタンバイ」と告げた。機内の各人は、すぐにファストロープの安全具を確認した。機内に照明はないが、メンバーは、手の感覚で安全装置が正常であることを確認できる。後部のメンバーから前部のメンバーへ、チェックが済んだことを、肩をたたいて知らせてゆく。
「オール・クリーン!!」 ソルベスキー軍曹が、最終確認のサインを見た直後、パイロットに向かって叫んだ。そして、さらに数メートル降下し、機体が水平になると、「GO!GO!」とパイロットが叫んだ。その声と同時に、ヘリからロープが投げ放たれ、メンバーが次々とロープを伝い、闇に消えていった。
トロイの順番が来た。下を見ると、漆黒の闇で、着地地点が屋上なのか地面なのか、何メートルあるのかすら分からない。しかし、ファストロープの訓練は、今まで数え切れないほどやってきた。いまさら恐怖など感じない。無意識に体が動き、ロープを伝ってするすると降りた。
トロイが降りて数秒後、チームリーダーのソルベスキーも降りてきた。全員が降下すると、ブラックホークは、すぐに上昇し、闇に消えた。アルファチーム10名が屋上に降りるまで、わずか30秒であった。
ナイトビジョンのスイッチを入れると、ライムグリーンの中に、メンバーの姿が映った。眼下を見下ろすと、ベータチームが門に向けて走っているのが見えた。ついに突入訓練が開始された。
次回更新は、10月30日「キャンプアルファ」です。
ご意見・ご感想をお待ちしております。
------------------------------------------------------------------------------------------
同人誌も発行しております。こちらもどうぞ。同人誌書店COMIC ZIN通販ページと 虎の穴通販ページに飛びます。(購入には会員登録が必要です。)
私の訳書(共訳・監修)です。よろしかったらお読みください。
画像クリックでamazonへ飛びます。






作戦終了 Over the Operation
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 4
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 3
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 2
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO
ネプチューン・スピアー Neptune spear 7
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 4
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 3
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO 2
コードワード:ジョロニモ Code word GERONIMO
ネプチューン・スピアー Neptune spear 7
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。