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Posted by ミリタリーブログ  at 

2010年02月10日

マザリ・シャリフ Mazar-e-Sharif

マザリ・シャリフは、アフガン北部の都市である。幹線道路が首都カブール・ヘラートへと通じる、交通の要衝でもある。

ドスタム将軍と側近、ガードナー中尉とチーム595の隊員は、小高い丘の上に集まっている。丘の上からは、マザリ・シャリフの建物群を臨むことができた。一団は、すべて馬に乗っていた。なぜ馬に乗っているかというと、マザリ・シャリフ一帯は、非常に起伏が激しく、道路以外を移動するには、車より馬の方が便利だからである。

「同志、ガードナー」。ドスタム将軍は、ガードナー中尉を呼んだ。頭に「同志」とつけるのが、彼の癖で、ソビエト共産党の元政治将校らしい。
「同志、ガードナー、あそこに見えるのがマザリ・シャリフである。貴官は、あの都市をどのように攻める?」。ドスタムはガードナーに尋ねた。
ガードナーは、「まず、適所に通信施設を作ります。そしてウズベクの基地に爆撃機を要請し、都市周辺の陣地を爆撃した後、部隊を突入させるのがよいと思います」。すると、ドスタムは、「よろしい。貴官は速やかにそれを実行されよ」。自分は意見を言わず、人に言わせるのも、政治将校らしかった。

ガードナーは、すぐに通信機器の設置に取り掛かった。この頃には、空軍の戦闘航空管制士官(CCT)を含むチーム534が到着していたため、作業は非常にスムーズに進んだ。

準備が整うと、すぐに空爆要請をした。B52Hが飛来し、マザリ・シャリフ周辺の陣地へ絨毯爆撃を行なった。CCTの誘導による爆撃は精緻を極めた。タリバンも対空砲を打ち上げるのだが、高高度を飛行するB52Hには届かなかった。

爆撃が終わると、ドスタム将軍は、兵を突入させた。突撃部隊は何度か撃退されたものの、その都度、爆撃機から抵抗陣地へ爆弾が落とされ、陣地を沈黙させた。そんなことが何日か繰り返され、11月7日、ついにタリバンはマザリ・シャリフを放棄し、アフガン北東部の都市、クンドゥズへ退却した。


次回更新は、2月17日 「闇夜の襲撃者」です。お楽しみに。
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写真は、イメージです。



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Posted by 友清仁  at 07:00Comments(7)Story(物語)